2013 Fiscal Year Annual Research Report
低酸素センサー調節による誘導代謝リプログラミングによる腎不全治療戦略の策定
Project/Area Number |
24659695
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
広田 喜一 関西医科大学, 医学部, 准教授 (00283606)
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Keywords | 低酸素 / 腎臓 / 保護 / HIF-1 / 代謝 / 解糖 |
Research Abstract |
腎臓は低酸素に対して脆弱な臓器である。酸素分圧の低下は急性腎不全を引き起こすのみならず慢性腎臓病の進行においても重要な役 割を担っている。細胞内低酸素センサーを申請者の見いだした低分子化合物で人為的に操作することで,腎臓の遺伝子発現を惹起して 酸素代謝のモードを変化させ,周術期の急性腎障害,慢性的腎機能障害患者の周術期管理に対する予防・治療法の確立への端緒を得る ための基礎研究を細胞、腎臓で行う事が本研究の目的である。申請者らはすでに強力な還元剤n-propyl gallate (nPG)が細胞内低酸素 センサー分子であるHIF-α水酸化酵素の阻害により酸素分圧非依存的にHIFの活性化をもたらすことを見いだしていた。 #1 培養細胞を用いた検討- 初年度に引き続き培養細胞として腎尿細管上皮と糸球体の初代培養細胞を使用した。HIF-1, 下流産物の遺伝子発現の解析を行った。酸素消費量のアッセイをクラーク電極を用いて行った。同時に代謝経路が解糖系優位に転換したことを確認するために培養上清中の乳酸・ピルビン酸の定量を行った。また細胞を低酸素に暴露してnPGの前処置が細胞保護効果を持つかの検討を行い有意な効果を確認した。#2.マウス・ラットの腎臓を用いたAKIに対する保護効果の検討-マウスを・ラットを用いたAKIモデルの作成を試みた。片側尿管結さつ (UUO)による腎尿細管. 間質障害モデルと片側腎動脈の遮断による虚血再灌流による傷害モデルの定法に従い作成を試みたが動物モデルの確立には至らなかった。
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