2013 Fiscal Year Research-status Report
生殖細胞特異的に反応するTRA98の抗原遺伝子の同定とその解析
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24659713
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木内 寛 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70403053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 宏光 長崎国際大学, 薬学部, 准教授 (10263310)
辻村 晃 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40294053)
宮川 康 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70362704)
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Keywords | Germ Cell / Spermatogonia / Sperm / Spermatogenesis / Spermatocyte / Spermatid / PGC / ES |
Research Abstract |
生殖細胞核を特異的に認識するTRA98は、国内外の多くの研究者によって、生殖細胞のマーカーとして用いられてきた。私たちはTRA98を認識する抗原をコードする遺伝子の解析を進め、遺伝子のクローニングに成功した、本研究で、遺伝子の詳細な解析を進めている。 昨年までに、GENA抗原遺伝子をコードする遺伝子を解析した結果、GENAをコードする遺伝子が2つ存在することを明らかになった。本年、その一つの遺伝子破壊マウスを作製した結果、精子形成不全で雄性不妊であった。このことは、GENA遺伝子が精子形成に必須であることを示している。また、GENA遺伝子をコードするもう一方の遺伝子破壊マウスはすでに報告されているが、胚性致死であることから、精子形成に関する解析はなされていない。そこで、作成者に共同研究を持ちかけ、コンディショナル遺伝子破壊マウス胚を取り寄せることで合意した。来年は、この胚から個体を得て、精子特異的にCREを発現するマウスと掛け合わせ、精子特異的に残されたGENA遺伝子を破壊したマウスを作製し、GENA遺伝子の解析 を進める。 GENA抗原遺伝子の精子形成における分子メカニズムの解析を進めたいが、TRA98は免疫沈降を行うことができない。さらに、2つ存在するGENA抗原遺伝子のそれぞれの精子形成における役割を解析するためにも、それぞれに対するポリクローナル特異抗体を作成中である。GENA遺伝子、レコンビナント蛋白質および特異抗体を用いてGENAの精子形成における分子メカニズムの解析を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
私たちは、生殖細胞核に特異的に発現する抗原分子GENAをクローニングすることに成功し、遺伝子破壊ES細胞がすでにInternational Knockout MouseConsortium(EUCOMM)に作成されている状況において本研究を開始した。初期の計画では、24年度は遺伝子の全長を同定し、①レコンビナントタンパク質を調整する。②真核生物で発現するベクターを構築し、③ES細胞で発現させ、タンパク質の役割について分子生物学的に解析を進める。④ES細胞をInternationalKnockout Mouse Consortiumから取り寄せ、遺伝子破壊マウスの作成を進める、25-26年度には、遺伝子破壊マウスを用いた解析を始める計画であった。計画のとおり、GENA抗原のレコンビナントタンパクを真核生物で発現させ、その機能の解析を進めた。また、モノクローナル抗体TRA98を用いて免疫沈降などができないなどの理由から、GENA抗原を用いてポリクローナル抗体の作製を進めた。さらに、遺伝子破壊マウスを作製し、解析を進めた結果、GENA抗原分子が精子形成不全で雄性不妊であった。このことは、GENA遺伝子が精子形成に必須であることを示している。現在、これらの詳細な結果について論文を執筆中である。また、これらの解析を進める中、新たな予想外の発見があった。GNEA抗原分子をコードする遺伝子が染色体上に2つ存在することである。新たなGENA抗原分子をコードする遺伝子をクローニングし、解析を進めている。本研究は順調に進展し、初期の予想を上回る結果を得ることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
GNEA抗原分子をコードする遺伝子が染色体上に2つ存在することである。新たなGENA抗原分子をコードする遺伝子をクローニングし、解析を進めている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度の動物実験に必要である動物の購入や試薬に予算を配分するため。 今年度の実験動物と試薬の購入。
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