2012 Fiscal Year Research-status Report
妊娠高血圧症候群と胎盤特異的miRNA:発症予知と母子間のクロストーク
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24659737
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
斉藤 裕 昭和大学, 医学部, 教授 (30119193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関沢 明彦 昭和大学, 医学部, 教授 (10245839)
四元 淳子 昭和大学, 医学部, 特別研究生 (30553648)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | miRNA / 妊娠高血圧症候群 / 胎盤形成 / 妊娠初期 |
Research Abstract |
妊娠高血圧症候群(PIH)は全妊娠の3-5%に合併し、母児双方にとって重篤な影響を及ぼす疾患である。本研究では妊娠初期・後期の胎盤組織の解析から胎盤特異的でPIHの病態とも関連するmicroRNA(miRNA)を抽出し、それを用いたPIH発症予知マーカーの可能性を検討する目的で研究を行った。最初のステップとして、胎盤形成期の妊娠初期絨毛でのmiRNAの変化についての検討を行うとともに、流産絨毛との違いについても検討した。その結果、流産例ではmicroRNA-17および -19bは、ともに、低下していることを確認した。このmiRNAのターゲット遺伝子(PTEN, CREB-1, TGFβ-1,TGFβ-RII)を検討したところ、PTENは、流産群で有意に高発現であったが、その他の遺伝子には有意な変化は見られなかった。 また、胎児心拍を認めた後に妊娠中断を行う妊婦を対象に絨毛を採取し、胎盤形成期のmiRNA発現変化についてマイクロアレイを用いた分析を行うことで、胎盤形成に伴い変化するmiRNAの抽出を行った。さらに、妊娠後期胎盤での正常と妊娠高血圧症候群の違いも同様なマイクロアレイを用いた分析を行い、両者の結果を比較して共通するmiRNAにフォーカスを絞った研究を次年度に行うべく、準備を行っている。 さらに、現在、絨毛採取の際に余剰絨毛を採取して保存しており、その妊娠予後との検討を計画し、検体採取をすすめている。妊娠高血圧症候群を発症する症例の初期絨毛での変化を上記手法で確認したい計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マイクロRNAについての研究を24年度にスタートさせたが、安定的な定量法などの技術が確立し、本課題の妊娠高血圧症候群の研究に向けた準備は整った。同時に、絨毛採取時の絨毛組織は採取を続けており、既に50サンプルを凍結しており、順調に経過しているなど、計画は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
絨毛採取時の絨毛組織は採取を25年度も続ける。その中から妊娠高血圧症候群を発症する症例を10例程度確保する予定である。次年度は、妊娠高血圧症候群の胎盤でのmiRNA解析を行い、絨毛採取時の絨毛組織での解析ターゲットを確定していきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
採取した絨毛からのmiRNA解析を行う。さらにその成果を国際的な雑誌や学会で発表予定であり、研究を発展させていく予定である。
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Research Products
(1 results)