2013 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚線条はケロイドの対極の病態である!~膠原線維とエストロゲンの知られざる関係
Project/Area Number |
24659777
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
古川 洋志 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00399924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 有平 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70271674)
小山 明彦 北海道大学, 大学病院, 講師 (70374486)
舟山 恵美 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10533630)
林 利彦 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (00432146)
堀内 勝己 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員研究員 (60625028)
齋藤 典子 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員研究員 (80374487)
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Keywords | ケロイド / 選択的エストロゲン受容体調節薬 |
Research Abstract |
エストロゲン、選択的エストロゲン受容体調節薬(selective estrogen receptor modulator、SERM)のケロイド線維芽細胞、正常皮膚線維芽細胞に対する細胞増殖抑制効果、細胞毒性について検討した。代表的なエストロゲンであり生体内で最も多く、生理活性の高い17β-estradior、SERMとして代表的な乳癌治療薬のtamoxifen、骨粗鬆症治療薬のraloxifeneの3つを対象とした。ケロイド線維芽細胞、正常皮膚線維芽細胞に対して0 nM、1 nM、10 nM、100 nM、1 μM、10 μM(tamoxifenは1 μMまで)と10倍段階希釈した各薬剤を投与した。一定時間後の細胞増殖率をMTSアッセイにて評価し、顕微鏡像と併せて細胞毒性に対する評価も行った。17β-estradiorは正常皮膚線維芽細胞に対して低濃度投与で細胞増殖効果を示す可能性があったが、10 μMでは正常皮膚線維芽細胞ならびにケロイド線維芽細胞に対して細胞毒性を示した。tamoxifenは100 nMでは正常皮膚線維芽細胞ならびにケロイド線維芽細胞に対して細胞増殖効果を示す可能性があったが、1 μMではケロイド線維芽細胞に対して細胞毒性を示した。raloxifeneは正常皮膚線維芽細胞に対して1 μMで細胞増殖抑制効果を示す可能性があったが、10 μMでは正常皮膚線維芽細胞ならびにケロイド線維芽細胞に対して細胞毒性を示した。各々の薬剤は濃度によってケロイド線維芽細胞、正常皮膚線維芽細胞に対する効果が異なる可能性が示された。また、ケロイド線維芽細胞、正常皮膚線維芽細胞によって各薬剤に対する感受性が異なる可能性が示された。
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