2013 Fiscal Year Annual Research Report
メッシュレス解析(SPH法)による義歯と周囲軟組織との力学的関係の解明
Project/Area Number |
24659854
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
水口 俊介 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30219688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 佑介 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (10451957)
飼馬 祥頼 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (30401326)
金澤 学 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (80431922)
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Keywords | 口腔機能 / 義歯 / 義歯周囲軟組織 / 数値シミュレーション / SPH解析 / 粒子モデル |
Research Abstract |
本研究は、義歯装着によって生じる顔面形態の変化や、口腔機能時の義歯周囲軟組織の動きが義歯形態に及ぼす影響を数値シミュレーションの手法により明らかにするため,無歯顎患者の顎堤,周囲軟組織の形態を数値解析可能な3次元モデルを構築し,新たな数値解析の手法であるメッシュレス解析すなわちSPH法により義歯との力学的関係を解析することを目的とする。本研究で用いるSPH解析法は従来のFEMのような多面体要素(格子)の中の節点間の関係を数式化するのではなく,要素を球形のボクセルとして扱い、そのボクセル間の力学的関係をさまざまに設定し,モデル化するもので,弱い圧力で大きく変形する軟組織の解析のような大変形解析,唾液による軟組織と義歯との間に生じるような滑りの問題を解析するには,FEMより優れていると考えられる。本法は界面の位相まで変化するような超大変形解析にも適用できるため、口腔領域におけるさまざまな数値解析(たとえば印象材や合着剤の流れ、顎口腔再建後の嚥下等の口腔機能のシミュレーションなど)に適用できると考えられ、そのための端緒となる研究と位置付けられる。 平成24年度は、解析の詳細を決定するため、インプラントオーバーデンチャー希望の患者を被験者とし、CT データを取得し、粒子モデル生成ソフトにて顎堤、周囲軟組織と義歯のSPH法による解析モデルを作製し、SPH法による解析を試行し解析法の精度を検討した。平成25年度は、その精度を向上するため、各材料定数の検討、さまざまな拘束条件の検討を行った。口腔周囲筋すべてをモデル化し、これらの検討を行うのはデータ容量の関係で困難であったため、義歯と顎堤粘膜の部分をピックアップしたモデルを作成し検討しほぼ適切な数値とアルゴリズムを得ることができた。
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