2013 Fiscal Year Annual Research Report
口腔がんで発現しているARE-mRNAを制御するための試み
Project/Area Number |
24659883
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 千晴 北海道大学, 大学病院, 講師 (50222013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
進藤 正信 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (20162802)
東野 史裕 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (50301891)
北村 哲也 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (00451451)
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Keywords | 口腔がん / pp32 / pp32r1 / 発現ベクター / 軟寒天コロニー形成法 / 足場非依存性増殖能 |
Research Abstract |
我々は最近、ARE-mRNAの安定化が細胞をがん化することを証明し、口腔がんなど多くのがんでもHuRが核外輸送され、ARE-mRNAも核外輸送・安定化されていることを見出した。さらに口腔がん細胞のHuRをノックダウンすると足場非依存性増殖能や浸潤活性も低下することを見出し、これらの成果に基づき我々は、ARE-mRNAの核外輸送システムの破綻による、新たな発がん機構を提唱している。本研究では、ARE-mRNAを核外輸送するタンパクHuRに結合するpp32が、細胞質のHuRの発現を低下させることを利用して、口腔がんのがん形質を消失させ、口腔がん治療のための基礎検討を行うことを目的とする。本年度は、pp32のノックダウンによるHuRやARE-mRNAの解析を行い、さらにアデノウイルスベクターの開発に挑戦した。 1pp32ノックダウンの確認 昨年はpp32の強発現を行ったが、今回は逆にpp32のsiRNAを導入しノックダウン(pp32 KD)を行い、そのがん細胞の性質を確認した。その結果、pp32 KD細胞では、細胞質で発現するHuR量が増加した。また、pp32 KD細胞は、軟寒天中でコントロールより多くのコロニーを形成することがわかった。これらの結果は、pp32のノックダウンはがん細胞の悪性形質を増強することを示唆している。 2アデノウイルスベクターの構築 pp32のcDNAを含むアデノウイルスベクター構築のため、pp32をアデノウイルスのゲノムを含むプラスミドへの挿入を行ったが、pp32 cDNAを持つプラスミドがとれなかった。これは、pp32 cDNAが構造上複雑で挿入できなかったか、もしくはpp32 cDNAがウイルスもしくは細胞にとって都合が悪いため分解された可能性がある。
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