2013 Fiscal Year Annual Research Report
中高年外科的矯正治療術後患者における新たな顎骨治癒評価系の確立
Project/Area Number |
24659892
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
志茂 剛 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (40362991)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 明慶 岡山大学, 大学病院, 講師 (50189320)
吉岡 徳枝 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (50362984)
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Keywords | 骨折 / 顎変形症 |
Research Abstract |
これまで顎変形症術後の顎骨治癒経過におけるプロセスは曖昧な点が多く,施設間で異なる顎間固定期間を設定しているのが現状である。これまで我々は,ソニックヘッジホッグ(SHH)は骨の形成ならびに吸収に関与することを明らかにしてきた。一方骨折の治癒過程には,細胞遊走,骨のリモデリングが重要となる。そこで本研究では,骨折治癒過程におけるSHHの発現およびその役割を明らかする。さらに,外科的矯正術後におけるヘッジホッグ骨代謝マーカーとしての有用性を明らかとし,新たな顎骨治癒評価系の確立を目的とする。 骨折治癒過程の炎症期,細胞増殖期において,骨髄細胞から産生されるSHHは,骨芽細胞におけるpFAK-Tyr397リン酸化を介し,骨芽細胞増殖,分化や破骨細胞形成を促進することが考えられた。また,骨折治癒過程の仮骨形成期からリモデリング期においては,骨芽細胞自身の産生するSHHがオートクライン的にpFAK-Tyr397を活性化し,肥大軟骨細胞から骨への置換に関与することが示唆された。 一方で,外科的矯正治療患者35例,術前,術後1,3,7日目の末梢血および,術直後,1,2日目のドレーンから局所血清を得た。血清中SHH, Soluble receptor activator of nuclear factor kappa-B ligand(sRANKL),Osteoprotegerin(OPG)をそれぞれELISA法により検出した。術前の末梢血清と比較して,術直後局所血清におけるSHH,sRANKL,OPGは有意に上昇することがわかった。SHHは下顎骨骨切り局所において上昇し,外科的矯正治療術後患者の顎骨治癒を把握するバイオマーカーとなる可能性が示唆された。(本研究は岡山大学倫理委員会承認を得て実施した)
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