2014 Fiscal Year Research-status Report
大震災及び福島県原発事故後の看護者の就業継続のための支援に関する研究
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24659950
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 美子 福島県立医科大学, 看護学部, 准教授 (60618833)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 看護師確保 / 看護管理 / 災害看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの人員状況、定着・離職対策のアンケート調査結果に基づき、看護管理者にインタビュー調査を実施した。特に震災と原発事故による被害が大きく、人員確保に困難を極めている福島県浜通りの2施設の看護管理者に協力をいただいた。実際には、当時の状況を思い出すこと、また現状への不安もあり、対象者の選定や同意を得ることに時間がかかった。最終的にインタビュー調査は6名の看護管理者に実施し、施設内の会議室などで対面形式にて1名に約40分~60分程度の面接調査となった。 前年度までのアンケート調査で得られた結果の中で注目されたのは、辞める理由よりも「この地で、あるいはこの病院施設で看護師を継続し続ける理由」であった。そのため、なぜ、この地で働き続けるのかについてが導き出されるようにインタビューを行った。また、その中では、これまでの看護実践や看護管理活動を自分自身やスタッフを通して振り返ってもらった。さらに、差支えなければ震災直後の医療・看護の状況から、当該施設の組織風土または文化について語ってもらうようにした。 それらの中には、震災直後の混乱により、人員が少なくなる中で管理者として何を大切に実践したのかを振り返る場面が多くみられた。また、混乱を極める震災直後から1年後までの間は、特に必要なリソースを確保しながら、患者の安全を守り、スタッフそしてその家族の心身の健康への配慮をし、思い通りにならない医療や看護状況を憂う看護管理者の姿があった。また、そこには病院施設の経営状況も大きく絡んでいた。震災後3年を経て、働き続ける人の中には、経済的な理由や家族とともに残る決断をしていることも挙げられるが、震災の一番つらい時期を乗り越えた自信や、この地への強い思い、そして看護者としての誇りが感じられた。今後は、これらのインタビュー結果を分析し働き続ける理由の中から看護師確保対策を具体的に導き出したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
インタビュー協力者の選定などに手間取ったため
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Strategy for Future Research Activity |
インタビュー内容の分析により対策を抽出する
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Causes of Carryover |
インタビュー調査が、対象者の選定などに困難があり遅れたことによる
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後の分析に基づき、必要な調査の追加および情報収集の追加を実施する
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