2015 Fiscal Year Annual Research Report
大震災及び福島県原発事故後の看護者の就業継続のための支援に関する研究
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24659950
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
佐藤 美子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 研究員 (60618833)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 看護師確保 / 就業継続 / 就業支援 / 再就業 |
Outline of Annual Research Achievements |
東日本大震災2年後に、福島県内の医療・福祉系施設の看護管理者から、被災状況・看護師数の推移・就業継続意思などの調査を行った。調査施設は、原子力発電所事故による休止施設13施設は除外し、病院など366施設、回収率25%であった。震災後も就業継続している看護師の主な理由は、経済的な問題・生活のためが最も多く24%、働きやすさが21%、医療者としての使命感19%、そのほかには福島で暮らしたいや震災後に暮らしの変化がない等が11%ずつ、家族の理由や病院への今後の期待なども挙げられていた。 これらの結果から、平成26年度に、相双地区の看護管理者6名のインタビューを行った。その中で、震災直後の混乱時の看護管理は、1日1日を共に乗り越える工夫であったこと、深刻になる看護師不足の中では、今いる看護師とともに忙しさを共有し、次のステップ(成長)に向かってチャレンジすることを大切にしていたことがわかった。震災3年を経て、働き続ける人の中には、経済的なことや家族と共に故郷で暮らし続けるという決断をもとに就業を継続する看護師もいるが、震災の一番つらい時期を乗り越えた自信や、この地への強い思い、そして何より看護師としての誇りが感じられた。 看護管理者のための、有効な看護師確保策としては、故郷への強い思いと看護の誇りを掲げ続けるために、看護師不足から助長される看護の質の低下を防ぎ、組織運営や看護体制を再構築できるよう看護管理者を知識・技術両面から支援することが重要であると示唆された。これらの対応として、震災後の年月とともに、この地が忘れ去られるのではないかという不安、都心あるいは福島の中心部との情報格差、文化や教育から取り残されるのではないかという焦りなどを払しょくできる取り組みが必要となる。そのため、今回は、看護管理者と研修企画を行い、実際に全職員向け、看護管理者向けのメンバーシップおよびリーダーシップ研修を行った。
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Research Products
(1 results)