2013 Fiscal Year Research-status Report
看護系大学における情報教育の実態とカリキュラムの再構築に関する実証的研究
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24659952
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
中村 洋一 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (90113969)
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Keywords | 情報教育 / 看護教育 / コンピュータリテラシー / 情報リテラシー |
Research Abstract |
全国の看護系国公私立大学について,Web調査によるシラバス等の情報収集を実施し,昨年度の国公立大学89校に私立大学114校を加えた全203校について,情報関連科目についての必修/選択の別,及びシラバスの記載から,情報セキュリティ,情報倫理,ワープロ・表計算・プレゼンテーション等のソフト(以下,Officeソフト)の演習,統計の内容を含むか否か,等を分析した。 その結果,各大学のホームページからシラバスが検索できた件数は国立36校(85.7%),公立38校(80.9%),私立67校(58.8%) であった。シラバスが検索できた大学のうち,情報関連科目の必修,選択必修,選択,自由,不明の件数は,それぞれ国立11,2,1,0,22校(30.6,5.6,2.8,0.0,61.1%),公立23,1,7,1,6校(60.5,2.6,18.4,2.6,15.8%),私立42,0,16,0,9校(62.7,0.0,23.9,0.0,13.4%)であった。シラパスの記載に「情報セキュリティ」があったのは,国立18校(50.0%),公立4校(10.5%),私立10校(14.9%),「情報倫理」があったのは国立13校(36.1%),公立5校(13.2%),私立14校(20.9%) であった,また,Officeソフトの演習が含まれている件数は,国立29校(80.6%),公立35校(92.1%),私立64校(95.5%) であった。さらに,情報関連科目の中に統計の内容を含むものが,国立6校(16.7%),公立12校(31.6%),私立5校(7.5%) あった。 以上のことから,看護系大学の初年次における情報関連科目の内容は, シラバスの記載率として,Officeソフトや電子メールなどのコンビュータリテラシーに比して,情報セキュリティや情報倫理などの情報リテラシーに関連した内容の少ないことが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は,看護系大学の情報教育の実態調査を実施したが,臨床現場の看護師からの面接聞き取り調査はできなかった。また,モデル・コア・カリキュラムについては,情報処理学会の報告書(大学等における一般情報処理教育の在り方に関する調査研究,文部科学省移植調査研究,平成14年3月)をもとに,現在の看護教育の中で実施可能な内容を再構築した。また,CBTの開発については,他の県立看護大学が自作のCBTシステムを公開することとなり,このシステムを移植可能かどうか検証し,CBTの試行を実施することにした。また,履修実態調査については,本学において,昨年度から実施しており,最終年度を含めて3年間の状況をまとめる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画より,若干,遅れている部分もあるが,最終年度については,看護系大学における初年次教育としての情報教育のモデル・コア・カリキュラムを確定し,それに基づいたCBTを構築した上で,実証実験を行う予定である。
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