2012 Fiscal Year Research-status Report
まちの保健室ナースの看護力で形成する急病や災害に備えられるまちづくりと効果の検証
Project/Area Number |
24659960
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
神崎 初美 兵庫県立大学, 付置研究所, 教授 (80295774)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | まちの保健室 |
Research Abstract |
1.急病時・災害時の対処と地域連携:(1)急病時・災害時の対処に必要な知識に関する講義プログラムの作成:「急病に地域でどう備えるか」「災害時に地域でどう備えるか」の目的を満たす30分程度の講義内容を作成し、これまで3地域で講義を行った。講義前後には、評価表で参加者の理解度について自己評価を実施した。(2)急病時・災害時の具体的対処行動プログラムの作成:救急車の呼び方と呼んでいる間の対処行動に関する図入り解説プログラムを作成し、講義時に使用した。電話のそばに貼ることができるような「救急車の呼び方シート」を作成し、講義時に配布し、使用方法を教育した。介入したA地域ではその後、実際に救急車を呼ぶ事例が3例発生したが無事救命できている。(3)実地訓練の開催:救急車の呼び方と呼んでいる間の対処に関する訓練を実際に行った。救急車に乗った救急隊員・本人・家族・近所の人の4人組で演じて貰った。可能であれば4人でやるのが望ましいが適宜人数変更は可能である。地震直後であるシナリオを作り、A市すべての地区のケアマネージャーと民生委員が集まる会で共に机上避難行動を行ない、その後に各班グループ討議と発表会をした。今後は実際地域で実施していただき、課題を整理しながら避難行動モデルを作成する予定である。AEDと救命方法、包帯法、地域や避難所で具合が悪い人をトリアージする方法の地域住民への教育に関しては、平成25年度に開始する予定である。 2.看護専門職の中学校区内地域ネットワークの構築 県看護協会の「まちの保健室」委員会等複数の委員会に本研究による活動内容を提案し、「まちの保健室」の協力体制を構築している途中である。今後、県看護協会の関連委員会の協力を得て、支部まちの保健室ナースとともに実践する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度計画していた以下の計画がすべて順調に行えた。 1.急病時・災害時の対処と地域連携(1)急病時・災害時の対処に必要な知識に関する講義プログラムの作成(2)急病時・災害時の具体的対処行動プログラムの作成 2.看護専門職の中学校区内地域ネットワークの構築:東日本大震災からまだ2年であり、今後も大災害の起こる恐れがあることが注視されている。しかし、本介入地域は兵庫であり18年前の阪神・淡路大震災のような災害はもう起こらないと思っている人も多い。従って、本研究テーマは「災害だけでなく急病時」を主眼としていることで、健康を維持したい、また、急病時が心配な高齢者の興味を引き、本研究へのニーズが高く各地で予定どおり順調に実施できた。また、兵庫県看護協会「まちの保健室」の目指す活動にも同調できる研究内容であり、看護協会やその委員会の協力が得られた。また、「まちの保健室」ボランティアNsも一市民でありNsが住むコミュニティでの実施ニーズも高いため今後も各地で実施できるとも思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
1.急病時・災害時の対処と地域連携(1)急病時・災害時の対処に必要な知識に関する講義プログラムの作成(2)急病時・災害時の具体的対処行動プログラムの作成。(3)実地訓練の開催 を継続実施する。 2.看護専門職の中学校区内地域ネットワークの構築については、県看護協会には9つの支部があるため支部全部の「まちの保健室」で実施し波及できるように努め、さらにNsそれぞれの住む地域コミュニティにもNs自身が働きかけることができるよう動機付けを支えなが推進する。 これらの実践を、研究申請時に設定した評価指標に基づきモニタリングする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
設備備品費(5万円):書籍購入に充てる。 研究旅費(50万円):国内学会(1-2回:日本災害看護学会、日本災害情報学会)、WHO主催の看護専門職ミーティングであるAsia Pasific Emargency Nursing network(バンコクで開催)に参加、 人件費・謝金(40万円):事務補助やデータ入力 その他(15万円):翻訳
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Research Products
(9 results)