2014 Fiscal Year Research-status Report
まちの保健室ナースの看護力で形成する急病や災害に備えられるまちづくりと効果の検証
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24659960
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
神崎 初美 兵庫医療大学, 看護学部, 教授 (80295774)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 減災教育 / 備え / 急病 / 支援 / 受援 / ネットワーク / 災害看護 / 救命 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.急病時・災害時の対処と地域連携について 小中高生など若者への集合教育の中に効果的で効率的な教育を追求することは必要である。「50分間で実施する『緊急・急病時に役立つ知識』講義が高校生の知識と実行意欲に与える影響」として実施の前後を比較し効果の検証を行った。対象はA県B高校全生徒423人で、方法は減災教育を推進したい高校で「災害時において自らと地域の人の命を助けるために高校生ができること」をテーマに50分間の講義を実施した。講義内容には、命にかかわる急病、特に脳卒中と心筋梗塞とその症状に関する知識、急病への対処方法、救急車の呼び方、近隣住民による自助共助の重要性を含め、講義前後には知識6問と実行意欲5問の計11問からなる4段階リッカート尺度による自己評価表への回答を依頼した。倫理的配慮は、回答用紙の上部に結果を研究に使用可能か設問し、許可を得た結果だけを使用した。本研究は所属大学の倫理審査委員会の承認を得てから開始した。結果は、回答結果の使用を許可しなかった7人を除く計416人の結果を分析した。講義前後の比較は各項目で集計し、欠損値があればその対象は削除した。合計質問項目11個のうち知識項目は6個、実行意欲項目は5個であったが、どの項目も講義前より講義後が有意に高得点となった。講義前は知識項目が実行意欲より低値であったが、講義後は両得点とも高くなっていた。 2.災害時の要援護者避難に関する具体的方略について 金沢大学一般公開講演会において「災害につよい医療職とまちづくり-在宅医療職ネットワークで高齢者を護ろう-」の講師を務め、災害時の具体的行動についてすぐにでも実践できるよう参加者と共にディスカッションを行った。また、日本老年看護学会が主催する研修会において、平成26年10月5日に「災害看護支援の基礎知識」と「組織と個人が災害時に効果的に活動する方略」について講義し、その後にディスカッションを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
所属大学の異動により教育に係るエフォートが増大し、要援護者支援ネットワーク構築については先に看護師への理解を深める実施が重要となり当初の計画が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の過程において、ネットワーク構築の促進・阻害要因を調査する必要性を感じたため、要援護者見まもり体制のプロファイリングとその結果によりテーラーメイドな受援・支援体制の方略と方法の開発を目指す。
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Causes of Carryover |
所属大学の異動により教育に係るエフォートが増大し、要援護者支援ネットワーク構築については先に看護師や看護協会への理解を深める講義の実施が重要であることが分かり、当初の計画が遅れた。また、要援護者支援方法、組織の受援支援方法に係る講義やグループワークにおいて先方からの交通費が支出されたこと等により、未使用額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本研究過程でネットワーク機構の促進・阻害要因を調査する必要性を感じたため、大学近隣地域の要援護者見まもり体制の構築と看護専門職の中学校区内地域ネットワーク構築のための会議や、兵庫県内全域の看護職の受援・支援体制の構築についての講義やディスカッションを進め、ネットワーク構築を行う際の介入と調査を行うこととし、未使用額はその経費に充てることとしたい。
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Remarks |
災害につよい医療職とまちづくり-在宅医療職ネットワークで高齢者を護ろう-,2014年9月20日,金沢大学一般公開講演会,金沢大学鶴間キャンパス(金沢市);災害から高齢者の命と生活を守るために-老年看護支援ネットワークづくり-日本老年看護学会,2014年10月5日,慶応大学信濃キャンパス;災害時であなたが出来ること、すべきこと,平成26年度北海道稜北高等学校防災講話,2014年11月6日,函館市
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Research Products
(2 results)