2012 Fiscal Year Research-status Report
直接占領下における沖縄の看護教育‐沖縄県公文書館所蔵文書を用いての検討‐
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24659966
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Meio University |
Principal Investigator |
安和 やよい 名桜大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (60528991)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
名城 一枝 名桜大学, 健康科学部, 講師 (00316217)
嘉手苅 英子 沖縄県立看護大学, その他の研究科, 教授 (70117571)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | USCAR / 沖縄 / 直接占領下 / 看護 / 看護教育 |
Research Abstract |
沖縄県は第二次世界大戦後、日本復帰する1972年までの27年間、米国の直接占領下に置かれた。27年間の米国直接占領政策は戦後沖縄の政治や経済ばかりではなく、医療・保健の分野にも大きな影響を与えた。沖縄における戦後の看護教育は、当時の政治、経済、司法を司る最高機関であった琉球列島米国民政府(United States Civil Administration of the Ryukyu Islands, USCAR)の指導者が中心となって行い、その影響は沖縄の施政権が日本に返還された後の看護教育にも及んでいる。 これまで戦後沖縄の看護教育や看護の歴史について沖縄の資料を基にしたいくつかの報告はあるが、米国公文書や米国の指導者が記述した記録類についての研究は少ない。 沖縄県公文書館にはUSCARに関する資料が保存されており、資料の中には議事録や報告書、議事が決議されるまでの過程で記された手書きのメモなどが、多くはマイクロフィルムの形で保存されている。本研究では沖縄県公文書館に保存されている、これら英文の手書きにメモなどを含めるUSCAR文書の翻訳と検討を行い沖縄の戦後の看護教育及び看護についての基礎的な資料を作成する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
沖縄県公文書館に保存されている琉球列島米国民政府(United States Civil Administration of the Ryukyu Islands, USCAR)の資料は、1. Record of the Health, Education and Welfare Department, 2. Record of the Public Health Division, 3. Record of the Education Division, 4.Record of the Public Welfare Division の4つのシリーズに大別されている。 Record of the Health, Education and Welfare DepartmentはUSCARの厚生教育局が統括していたすべての文書が収められており、予算編成・監査、琉球列島米国民政府の高等弁務官に対する諮問委員会、復帰準備委員会、病院・保健所など、公衆衛生に関する書類、ミシガン大学の交換留学に関する文書などが収められている。 平成24年度は主にRecord of the Public Welfare Divisionのファイルを研究分担所とともに翻訳・検討し、戦後沖縄の看護教育に関する文書を抽出する予定であったが、シリーズに収められているファイルの枚数が多く、また予定していたUSCAR文書の他、当時の沖縄県、日本政府等関連部署との書簡集なども確認されたため、これら書簡集も併せて検討する必要があることが分かった。そのため、再度検討するファイルの整理を行ったため、当初の計画よりやや遅れていると報告する。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は主にRecord of the Public Welfare Division のファイルを研究分担所とともに翻訳・検討し、戦後沖縄の看護教育に関する文書を抽出する予定であったが、シリーズに収められているファイルの枚数が多く、また予定していたUSCAR文書の他、当時の沖縄県、日本政府等関連部署との書簡集なども確認されたため、これら書簡集も併せて検討する必要があることが分かった。 今年度は予定していたRecord of the Public Welfare Division のファイルを研究分担者とともに翻訳・検討し、看護と看護教育に関する文書の抽出を行う。また、戦後沖縄の看護教育に大きく影響を与えた組織の一つであるミシガン州立大学関連の文書の翻訳・検討及び、関連部署との書簡集の翻訳・検討も併せて行い、沖縄の戦後の看護教育がどのように行われたかを明らかにする資料を作成する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度も、引き続き USCAR文書の翻訳・検討を研究分担者(嘉手苅・名城)とともに行う。 沖縄県公文書館に保存されている資料は米国ミシガン州立大学、米国国立公文書館に保存されている資料をそのまま複写して持ち帰られたものである。資料の中には記入者不明の手書きのメモなども含まれている。ミシガン州立大学は戦後沖縄の看護教育に影響を与えた組織であるため、ミシガン州立大学図書館から収集された資料の手書きのメモの記入者の特定は、いつ・だれが・どのように戦後の沖縄の看護教育を進めたかを明らかにするために重要である。そのため平成25年度にミシガン州立大学を訪問・現地調査を予定している。
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