2013 Fiscal Year Research-status Report
看護師が困難と感じる認知症の行動心理症状の明確化と急性期認知症看護モデルの開発
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24659984
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
鈴木 みずえ 浜松医科大学, 医学部, 教授 (40283361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 浩美 聖隷クリストファー大学, 看護学部, その他 (10573793)
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Keywords | 認知症高齢者 / 急性期病院 / パーソン・センタード・ケア / 認知症看護 |
Research Abstract |
平成25年度は、外国論文や海外の急性期病院における認知症看護の報告書などをレビューし、急性期病院における認知症ケアの方向性を検討した。さらには、急性期病院の呼吸器病棟における高齢者集中ケアにおいて、認知症ケアマッピング(DCM)を3か月毎、年4回実施し、パーソン・センタード・ケアの導入を実施した。1年間のアクションリサーチ終了後に、ケアスタッフにフォーカス・グループインタビュー調査を行い、高齢者集団ケアにおける認知症ケアマッピング(DCM)がケアスタッフにもたらした効果を明らかにすることである。本研究は高齢者集団ケアを担当しDCMに参加した看護師などを対象にインタビューを実施した。その結果、「高齢者に対する関わり方の変化」「高齢者の独自性の尊重と予測・予防に考慮したケア内容の変化」「高齢者ケアに対する姿勢の変化」「高齢者ケアに関する知識・技術の向上」「高齢者ケアの理念・学びの共有化によるケア風土の変化」「高齢者ケアに関わる専門職の職業的自律および他職種との協働の強化」の6つの大カテゴリーが抽出された。また、認知症看護認定看護師教育課程の受講生を対象にDVD教材教育プログラムを用いてわが国の急性期病院における認知症の看護実践の方向性を明らかにした。「認知症高齢者の入院による混乱の緩和のためのコミュニケーション」「急性期病院入院中の認知症高齢者のニーズに合ったケアの展開」、「家族の不安を解消するためのケアや意思決定の支援」、「家族を支援者として捉えたエンパワメント」、「認知症ケアに関する知識と急性期の実践が統合されたスタッフ教育」など9つの大カテゴリーが抽出され、パーソン・センタード・ケアの4つの要素が全部含まれていた。特に「人々の価値(V)」に関する病院理念や体制など認知症高齢者とスタッフを支援するための病院の体制作りの必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の急性期病院で働く看護師が困難と感じる認知症の行動心理症状に関する調査を実施・分析し、急性期病院における課題を明確化した。1年間の急性期病院における高齢者集中ケアに関するアクションリサーチ終了後に、ケアスタッフにフォーカス・グループインタビュー調査を行い、高齢者に対する関わり方の変化」「高齢者の独自性の尊重と予測・予防に考慮したケア内容の変化」「高齢者ケアに対する姿勢の変化」「高齢者ケアに関する知識・技術の向上」「高齢者ケアの理念・学びの共有化によるケア風土の変化」「高齢者ケアに関わる専門職の職業的自律および他職種との協働の強化」の6つの大カテゴリーが抽出された。わが国の急性期病院における認知症の看護実践の方向性として、「認知症高齢者の入院による混乱の緩和のためのコミュニケーション」「急性期病院入院中の認知症高齢者のニーズに合ったケアの展開」、「家族の不安を解消するためのケアや意思決定の支援」、「家族を支援者として捉えたエンパワメント」、「認知症ケアに関する知識と急性期の実践が統合されたスタッフ教育」など9つの大カテゴリーが抽出されるなど病院の体制作りの必要性が示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度はこれまで明らかにした内容の基づき、急性期認知症の看護に関する評価指標を作成し、急性期認知症看護モデルの開発を行う予定である。研究の進捗状況は順調である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成26年度に実施する調査の対象が拡大し、急性期病院の看護師だけではなく、全国の認知症看護認定看護師に拡大する予定から通信費が必要なために、平成26年度に使用額を以降した。認知症看護モデルの開発だけではなく、認知症看護に関する指標の開発の実施が追加された。 平成26年度に実施する調査の対象が拡大し、急性期病院の看護師だけではなく、全国の認知症看護認定看護師(対象者数約300名)に拡大する。認知症看護モデルの開発だけではなく、認知症看護に関する指標の開発の実施が追加され、信頼性・妥当性に関する調査も追加された。
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Research Products
(21 results)