2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24660006
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
兵頭 慶子 宮崎大学, 医学部, 教授 (50228756)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水畑 喜代子 宮崎大学, 医学部, 講師 (40346242)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 熟練助産師 / 分娩第1期のケア / ケア視線 |
Outline of Annual Research Achievements |
熟倫理委員会の承認(2015-019)を得て、練助産師2名に分娩第1期のケア(実施したケアおよびその判断情報、意図、評価)について半構成的面接より聴取し、修正版GTAにより質的に分析を行った。さらに客観性を高めるため参加観察をし、アイカメラによりそのケア状況と助産師の視跡を撮影し、口述内容との照合を行った。 その結果、11のカテゴリー(以下<>)と、26のサブカテゴリーが得られた。<診断・ケアの根幹である助産観>に基づいて、<助産師が捉えた産婦像>に対し、<陣痛と産婦の表情・反応の見極め><産婦を見て分娩経過を感じ取る>ことをしながら、<分娩になると判断する>。また、<同僚・医師との相談>をしながら<産婦の痛みの表出を見逃さないケアの提供><家族への適切な助言と希望を叶えるケアの提供>を行っていた。さらに(必要時)、<対象と分娩進行の見極め直し>を行い、産婦と<分娩に向けて気持ちを共有>し、分娩後には<ケアと分娩後の振り返り>をしていた。動画・視線軌跡の分析から助産師の語りが裏付けられ、また、必要なケアを判断し、ケアを提供しながらも常にモニターなどの観察を続けている、ハイリスク施設のケアの様相が捉えられた。 P.Bennerのいう熟練看護者の様相と類似する、助産師の助産護観に基づいて、産婦との相互作用のなかで五感をおよび直観により産婦と、その分娩経過を捉え、ケアを提供し、振り返るというケア過程を展開していた。また、そこにはM.Newmanのいう援助関係の発展として気持ちの共有が伺えた。
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