2014 Fiscal Year Annual Research Report
患者・高齢者が容易に使用選択できる排泄支援法について
Project/Area Number |
24660038
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
根本 清次 宮崎大学, 医学部, 教授 (40218277)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 排泄補助具 / 男性用 / 二重膜構造 / 失禁 / 汚染 / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、男性用の下着型排泄補助具(排泄補助具)を開発し、さらに男女用ともに、片麻痺の対象者における使用を考慮して、健側の動作により排泄補助具を脱着するシミュレーションを試みた。 排泄補助具の開発は男女用共に市販の婦人用下着に改良を加え、形状および素材の検討を行なった。脱着の自由を保つ接合剤料として、サージカルテープを用いた。これは裁断部分の固定には横方向の力に強く、前後方向の力では容易に裂くことができるものを選択した。排泄物吸収材として、主に紙製吸収体を用いた。 材料とした女性用下着の両端(腸骨稜部分)を縦に裁断した。女性用は更に恥骨部分で横に裁断した。男性用は失禁した便が陰茎や睾丸に付着することを防ぐため、二重膜構造とした。内膜は陰茎・睾丸を通す円形の穴と吸収材を通す長方形の穴を設けた。外膜をめくると陰茎と睾丸を露出できた。外見上、ほぼ通常の下着と変わりはなかった。 失禁の影響と脱着の動作を検討するため、身体可動域を考慮した人体模型(さくら 京都科学)を用い、仰臥位の状態で尿道口から青色の液体を、肛門から赤褐色の粘性のある液体をそれぞれ30mlずつ排出した。左片麻痺と仮定し、ポータブルトイレへ移動後、座位となり、右手のみを使用する場面を補足した。これら一連の排泄行動および汚染部分について解析を試みると、大人用紙おむつでは片手のみで取り外すには時間を要し、その際前傾姿勢をとるため、バランスを崩しやすかった。本排泄補助具においては片手のみで、容易に取り外しが可能であった。さらに大人用紙おむつでは、取り外しの際、足を引き抜く時に吸収材や内面に付着した液体に触れ、汚染範囲を広げた。したがって紙おむつでは便を模した液体は、女性では会陰を超え、男性では睾丸に付着した。一方、排泄補助具では下着をずらす必要がないため、汚染範囲は陰部と臀部にのみに留まった。
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Research Products
(1 results)