2012 Fiscal Year Annual Research Report
北アフリカ・地中海諸国における食薬資源の高度利用による地場産業育成研究
Project/Area Number |
24683008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
柏木 健一 筑波大学, 人文社会系, 助教 (00447236)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 経済政策 / 経済発展 / ミクロ経済分析 / 産業発展 / 産業育成 |
Research Abstract |
本研究は、北アフリカ・地中海原産のオリーブ油に代表されるような伝統的食薬資源を産業化シーズとして着目し、生産面と需要面からシーズの高付加価値化をもたらす要因を解明することにより、イノベーション誘発型地場産業育成を図るものである。特に、平成24年度においては、新たな機能性が解明されている北アフリカ・地中海地域原産の食薬資源の中でも、オリーブ油、アルガン油、ローズマリーエッセンシャル油に着目し、同製品の主要生産国であるチュニジアおよびモロッコに分析対象を絞り、研究を展開した。 同年度において、食薬資源高度利用チームは、生産(供給側面)の分析について、チュニジアにおけるオリーブ農家、並びにモロッコのアルガン農家に対するミクロ調査を実施し、クロスセクションデータ収集の上、技術効率性を分析し、新規機能性開発による需要増に対する安定的供給能力、新製品開発能力、輸出競争力、並びにこれらを向上させる要因を特定した。また、消費(需要側面)については、オリーブ油に関する日本人の消費者行動を購買履歴データ収集によって分析し、需要側面が生み出す付加価値とそれを増加させる要因を解析した。 他方、食薬資源機能性解析チームでは、生命科学の研究者がバイオアッセイ(生理活性評価法)を用いて、オリーブ及びアルガン油成分からの抽出物の生理活性を解析し、有用成分の機能性を分析した。これにより、アルガン油に美白効果があることを明らかにし、その分子レベルでの作用メカニズムを解析を進めた。また、チュニジア産のローズマリーについて、環境条件(土壌、降水量、気温等)とローズマリーに含まれるポリフェノール成分含有量の関係について解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
日本市場における需要側面の分析に関し、オリーブ油に関する日本人の消費者行動を購買履歴データを用いて分析したが、平成24年度に実施を予定していたアルガン油に関する日本人の消費者行動調査は、実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
供給側面の分析については、モロッコにおけるアルガン油精製女性協同組合とヨルダンにおけるオリーブ農家に対するミクロ調査を実施し、クロスセクションデータ収集による技術効率性分析を実施する。また、需要側面の分析においては、オリーブ油とアルガン油に関する日本人の消費者行動調査を実施し、需要側面が生み出す付加価値とそれを増加させる要因(製品属性)を分析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度に予定していた日本におけるアルガン油に関する日本人の消費者行動調査が実施できなかったため、次年後使用額が生じた。当該調査については、平成25年度に実施する。
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Research Products
(9 results)