2014 Fiscal Year Annual Research Report
北アフリカ・地中海諸国における食薬資源の高度利用による地場産業育成研究
Project/Area Number |
24683008
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
柏木 健一 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (00447236)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 経済政策 / 経済発展 / ミクロ経済分析 / 産業発展 / 産業育成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、北アフリカ・地中海原産のオリーブ油に代表されるような伝統的食薬資源を産業化シーズとして着目し、生産面と需要面からシーズの高付加価値化をもたらす要因を解明することにより、イノベーション誘発型地場産業育成を図るものである。特に、平成26年度においては、新たな機能性が解明されている北アフリカ・地中海地域原産の食薬資源の中でも、オリーブ、ナツメヤシに着目し、同製品の主要生産国・地域であるチュニジア、ヨルダンおよびヨルダン川西岸に分析対象を絞り、研究を展開した。 平成26年度においては、乾燥地北アフリカ・地中海地域における小規模地場産業が持続可能な発展経路を導くための条件や課題について分析を展開した。現地調査として、2014年8月および2015年2月に、チュニジアのカイロアン県およびナブール県にてオリーブ農家のミクロ調査を行った。2014年12月にヨルダン・イルビッド県およびヨルダン川西岸地区にて、オリーブ農家の事前調査を行った。これらの現地調査により、小規模産業が直面する課題や生産性・効率性向上のための条件について分析した。 他方、需要側面の分析に関し、オリーブ油に関する日本人の消費者行動を購買履歴データを用いて分析し、需要側面が生み出す付加価値とそれを増加させる製品属性およびターゲットとなる消費者像を明らかにした。また、収集したアルガン油に関する日本人の消費者行動データを基に、アルガン油が持つ公共財的属性が消費者行動の変化に及ぼす影響について解析した。 研究成果の報告として、2014年9月にウズベキスタン・サマルカンドで開催された第二回国際沙漠学会会議に参加し、伝統的オリーブ農家の生産様式の変化について研究発表を行った。また、2015年3月にチュニジア・ハマメットで開催された第14回中東経済学会に参加し、オリーブ農家の生産性調査の研究成果を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
チュニジアのカイロアン県およびナブール県にてオリーブ農家のミクロデータ収集が順調に進んでいる。ただし、ヨルダン保北部におけるオリーブ農家調査については、シリア・イラク情勢の悪化による治安上の問題から、実施を見送っている。
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Strategy for Future Research Activity |
日本市場における需要側面の分析においては、オリーブ油とアルガン油に関する日本人の消費者行動を分析し、需要側面が生み出す付加価値とそれを増加させる製品属性(特に、環境保全や貧困削減などの公共財的属性)、ならびにターゲットとなる市場と消費者像を分析する。また、日本のオリーブ製品開発の代表例として、香川県小豆島の取組事例を取り上げる。 供給側面の分析においては、チュニジアおよびヨルダン川西岸のオリーブ農家調査およびモロッコのアルガン油精製女性協同組合の調査を引き続き実施し、クロスセクションデータ収集による生産性・技術効率性の分析を実施する。
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Causes of Carryover |
シリア・イラク情勢の悪化による治安上の理由から、ヨルダンにおけるオリーブ農家調査を実施を見送ったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
未使用額は、チュニジアおよびヨルダン川西岸におけるオリーブ農家及び製油工場の調査に充てる予定である。
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Research Products
(7 results)