2014 Fiscal Year Annual Research Report
ランタノイド金属イオン錯体の論理的分子設計による生体内可視化プローブの開発
Project/Area Number |
24689003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
花岡 健二郎 東京大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (70451854)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 分析科学 / 有機化学 / 薬学 / イメージング / ランタノイド / MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
平成24年度および平成25年度、平成26年度の研究からガドリニウムイオン錯体を基礎とした、低酸素環境下において選択的に大きなMRIシグナルの上昇を示すMRI造影剤の開発(Bioorg. Med. Chem. 22, 2798-2802 (2012))および、動脈硬化巣をMRIと蛍光の両方によって検出するMRI-蛍光デュアルイメージングプローブの開発(Org. Biomol. Chem.,12, 8611-8618 (2014))に成功した。低酸素環境を検出するMRIプローブの開発に関しては、当初の計画通り、フェニルスルホンアミド基のpKaの変化を利用した低酸素環境を検出するMRIプローブの開発には成功したものの、動物個体への応用においては更なるアイディアが必要とされた。そこで平成26年度は、アザキノンメチド骨格およびニトロイミダゾール骨格を用いることで、低酸素環境領域において、芳香族ニトロ基の還元反応によってMRIプローブの反応性が高まり、結果として、低酸素領域に存在するタンパク質に非特異的に結合し体内動態を制御できる新たな分子デザインを行った。しかしながら、何れの骨格もMRIシグナルの変化の大きさや、タンパク質への結合反応の速度から更なるアイディアが必要であった。一方、動脈硬化巣を検出するMRIプローブにおいては、MRIの感度の低さという欠点を克服するため、効率良く病巣へとプローブを集積させるという分子設計戦略によって、実用的なMRI造影剤の分子設計法を提案することに成功した。また、動脈硬化巣へのターゲティング部位として蛍光色素骨格を用いることで、生きた動物における蛍光内視鏡でのin vivo蛍光観察にも成功した。このように、当初の目的であった、実用的なMRI-蛍光イメージングプローブの論理的設計法の確立に成功している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の研究からガドリニウムイオン錯体を基礎とした、動脈硬化巣をMRIと蛍光の両方によって検出するMRI-蛍光デュアルイメージングプローブの開発(Org. Biomol. Chem.,12, 8611-8618 (2014))に成功した。本研究では、動脈硬化巣を検出するMRIプローブの開発においてMRIの感度の低さという欠点を克服するため、効率良く病巣へとプローブを集積させるという分子設計戦略によって、実用的なMRI造影剤の分子設計法を提案することに成功した。また、動脈硬化巣へのターゲティング部位として蛍光色素骨格を用いることで、生きた動物における蛍光内視鏡によるin vivo蛍光観察にも成功した。このように、当初の目的であった、実用的なMRI-蛍光デゥアルイメージングプローブの論理的設計法の確立に成功している。よって、「当初の計画以上に進展している」とさせて頂いた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、ガドリニウムイオン錯体を基礎としたMRI-蛍光デゥアルイメージングプローブの開発研究において大きな進展が見られた。平成27年度は本研究の更なる進展を目指し、動物個体内での低酸素環境を検出する新たな蛍光プローブの開発を行う。
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Causes of Carryover |
平成26年度は、計画通りに研究が進行し実験を行ったため、次年度使用額も少なく概ね計画通りに研究費を使用できたと考えている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は、新たなプローブの開発に積極的に取り組んでいくため、有機合成試薬などが必要とされると予想され、これらに次年度使用額を使用していく計画である。
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Research Products
(33 results)
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[Journal Article] Design Strategy for Small Molecule-based Targeted MRI Contrast Agents: Application for Detection of Atherosclerotic Plaques2014
Author(s)
Shimpei Iwaki, Kazuya Hokamura, Mikako Ogawa, Yasuo Takehara, Yasuaki Muramatsu, Takehiro Yamane, Kazuhisa Hirabayashi, Yuji Morimoto, Kohsuke Hagisawa, Kazuhide Nakahara, Tomoko Mineno, Takuya Terai, Toru Komatsu, Tasuku Ueno, Keita Tamura, Yusuke Adachi, Yasunobu Hirata, Makoto Arita, Kenjiro Hanaoka, et al.
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Journal Title
Organic & Biomolecular Chemistry
Volume: 12
Pages: 8611-8618
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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