2014 Fiscal Year Annual Research Report
造血幹細胞における細胞競合を介した増殖制御機構の解明
Project/Area Number |
24689041
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
細川 健太郎 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90569584)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 細胞競合 / 造血幹細胞 / 自己複製 / 細胞分裂 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、細胞競合のシグナル経路であるHippoの関連分子Lats1および2に着目し、これらの造血幹細胞の細胞競合時の増殖制御機構について解析を行った。Hippoシグナル経路において、細胞増殖はYapおよびWwtr1の核内移行によって制御される。我々はエフェクター分子Yap1およびYapの抑制因子Lats1/2が未分化造血幹細胞において特に強い発現をみることを見出した。このことから、定常時静止期にある未分化造血幹細胞においては、Yap1の高発現による高い増殖ポテンシャルを維持しつつ、Lats1/2の発現によってこれを抑制し、増殖を制御していると考えられる。 5-FU(150mg/Kg)投与したマウス骨髄では骨髄抑制が起こり、造血幹細胞数は4日目前後まで減少し投与後6日目から増加に転じ、10日目で投与前の数まで戻ることが報告されている。この実験系において造血幹細胞におけるLats2の発現は6日目で著減しその後徐々に回復することから、6日目の造血幹細胞の増殖開始と共にHippoシグナル系による細胞競合が起こることが考えられた。 Lats分子による細胞競合・増殖制御が行われていることを確認するため、野生型およびLats1欠損マウス由来造血幹細胞の同数同時競合培養を行い、それぞれの造血幹細胞数の比較を行った。その結果、競合培養を行ったLats1欠損マウス由来造血幹細胞の増殖は野生型と比較して有意に高いことが分かった。一方で非競合培養の場合は同等の増殖が見られた。さらに生体内での細胞競合時のLats2の機能を解析するため、野生型およびLats2欠損造血幹細胞を移植した。その結果、Lats2欠損造血幹細胞を移植したマウスでは、野生型と比較して高い骨髄再構築能を示した。以上のことから、骨髄再構築時の細胞競合に対し、Hippoシグナル系によって造血幹細胞の増殖が制御されていることが示唆された。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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