2012 Fiscal Year Research-status Report
マルチエージェント交渉機構おける論点間の依存構造の抽出および手法評価に関する研究
Project/Area Number |
24700134
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
藤田 桂英 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00625676)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | マルチエージェントシステム / 自動交渉機構 / 非線形効用 |
Research Abstract |
既存のマルチエージェント分野における自動交渉機構の研究は論点がそれぞれ独立であると仮定されており、現実的な問題設定ではなかった。一方で、現実世界はWebの発展により大規模な合意形成の必要性が高まっている。そこで、本研究ではマルチエージェントの自動交渉機構に関する交渉論点の依存関係の構造化および分類、交渉論点の依存構造を考慮した交渉手法の提案、現実の交渉事例に基づいた交渉手法の検証および評価に関して研究を実施し、現実世界に近い設定を想定した交渉手法を開発、および、交渉事例を分析および評価を行う。 本年度は、交渉論点の依存関係の構造化および分類および自動交渉手法の設計を中心に行った。具体的には、研究協力機関から提供された交渉事例から論点を洗い出した後に、各論点の依存関係の抽出および構造化を行う。依存関係の抽出や解析を行う際に、論点間の情報の類似度から論点構造ネットワークを作成し、クラスタリング等を実行している。提案手法に対して、学術分野や医療分野のデータセットに対して有効性を評価した。 さらに、論点の依存構造を考慮した交渉手法に関しても新たな手法を提案した。提案手法では論点が階層構造を作成する際に、論点間の単調性に着目し、各エージェントの効用空間における単調性の情報に基づいて、Monotonic Tree を作成する。その後、Monotonic Treeの高さをメディエータが調整しながら、合意案を発見を行う。本提案手法により、論点の依存関係が階層構造の場合にも対応可能な自動交渉手法を開発した。評価実験において、提案手法が論点に階層構造が含まれる場合にも有効性が高いことを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究目標に対しておおむね順調に進行した。交渉論点の依存関係の構造化に関しては当初の予定とは異なる手法ではあったが、より有効性の高いデータマイニングに基づいた手法を開発することができ、当初の目標を達成することができたと考えている。 論点の依存構造を考慮した交渉手法に関しても新たな手法を提案することができた。提案手法では論点が階層構造を作成する際に、論点間の単調性に着目し、各エージェントの単調性の情報に基づくMonotonic Tree の活用および論点の階層構造への対応が可能である。また、一般的な効用関数を用いた評価実験において、論点の依存関係が階層構造になる場合に提案手法の有効性が高いことを示すことができた。 以上から、本年度に目標としていた交渉論点の依存関係の構造化と分類および自動交渉手法の設計に関しておおむね達成できたと判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に引き続き論点構造に基づいた効率的な交渉手法の提案および改善を行うとともに、評価、検証のためのテストベッドの作成を行う。テストベッド作成のための交渉事例は研究協力機関から提供される予定である。また、単純な既存手法との比較だけではなく各交渉事例に関してデータを提供して頂いた機関からインタビューを行い、現実世界の交渉問題からみた評価を行う予定である。 評価、検証するための共通テストベッド作成のためには、どのような指標が自動交渉プロトコルを分類するのに有効かを評価する必要がある。そこで、すでにマサチューセッツ工科大学で進行しているNego Wiki プロジェクトや国際自動交渉エージェント競技会と協調し、交渉事例の収集およびマッチングシステムの開発を進めて行く。さらに、当該年度に実施した論点間の依存関係の分類結果を活用し、論点構造に基づいた効率的な交渉手法の提案および、評価、検証のためのテストベッドの作成を推進する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年度に、自動交渉機構の構築および交渉事例の解析のために、高性能計算機とディスプレイを購入する。ノートパソコンを研究結果の対外発表やデモのために購入する。旅費に関して、国内学会と国際学会において、それぞれ数回の発表を予定している。本年度は国内外に在籍している研究協力者との打ち合わせが当初の予定回数行うことができなかったため、本年度から繰り越しした研究費も含めて打ち合わせのための旅費に活用する。研究を仕上げるために本年度と比較して、打ち合わせおよび対外発表を多く行う予定である。人件費を英文翻訳および自動交渉機構開発の補助のために活用する。
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[Journal Article] Evaluating Practical Negotiating Agents: Results and Analysis of the 2011 International Competition2013
Author(s)
Tim Baarslag, Katsuhide Fujita, Enrico Gerding, Koen Hindriks, Takayuki Ito, Nick R. Jennings, Catholijn Jonker, Sarit Kraus, Raz Lin, Valentin Robu, Colin Williams
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Journal Title
Artificial Intelligence Journal (AIJ)
Volume: 198
Pages: 73-103
DOI
Peer Reviewed
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