2013 Fiscal Year Research-status Report
ボディ・マス・インデックスと死亡の因果的関連の統計学的検討
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24700278
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
田栗 正隆 横浜市立大学, 医学部, 助教 (20587589)
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Keywords | 因果推論 / 疫学 / 臨床研究 / 時間依存性交絡 |
Research Abstract |
時間依存性交絡を伴う曝露(治療)因子が存在する際の因果効果を推定するための方法を引き続き研究した。前年度に考えていたIPTW法の修正に関しては考えていた方法と同様の方法が他の研究者より提案・報告されてしまったため、理論的研究に関しては別の方向性からの研究を進めた。成果として時間依存性交絡を伴う曝露因子が存在する際の因果治療効果を推定するための方法である周辺構造モデルとIPTW法による推定に関して、新しいモデル選択基準の提案を行った(Statistics in Medicine, 2013;32(20):3590-3591)。本研究課題に限らず、複雑な経時データのモデリングには多次元の曝露変数を伴う事から、モデル選択問題は現実的にほぼ必ず解決しなければならない問題である。シミュレーション研究によれば、提案した方法では正しいモデルの選択確率において、様々な状況で既存の方法を大きく上回ることを示した。構造平均モデルという異なる因果モデルにおけるモデル選択基準の論文化も行った(Biometrics 2014, in press)。さらに、近年統計的因果推論の分野で研究が盛んに行われている直接効果・間接効果とそれに関連した研究において総説論文を発表し(統計数理 2014, in press)、さらに1本論文投稿中である。直接効果・間接効果の推定問題も方法論的には時間依存性交絡を伴う際の曝露効果の推定問題に帰着することができるため、この分野に貢献ができたと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
【研究実績の概要】で述べた通り、当初考えていたIPTW法の修正に関しては考えていた方法と同様の方法が他の研究者より提案・報告されてしまったため、別の方向からの検討を行い、新しいモデル選択基準の提案という成果を出すことができた。これは当該研究のデータ解析においても非常に役に立つ方法であると考えられるため、全体としてはおおむね順調に研究が進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き時間依存性交絡を伴う曝露(治療)因子が存在する際の因果効果を推定するための理論的方法について研究を進めていく。また、提案したモデル選択基準も有効活用して、JALSデータの実データ解析を行っていく。関連した研究の成果は積極的に学会発表・論文等により公表していく。
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