2014 Fiscal Year Annual Research Report
ボディ・マス・インデックスと死亡の因果的関連の統計学的検討
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24700278
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
田栗 正隆 横浜市立大学, 医学部, 助教 (20587589)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 因果推論 / 疫学 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度も引き続き、Robinsらの開発した周辺構造モデルとIPTW法に関する研究、関連した因果モデルである構造平均モデル、時間依存性交絡が存在する状況での因果推論の方法論の開発研究を行った。 前年度までの研究成果として、因果モデルに関するモデル選択基準の提案を行ったが、開発したモデル選択基準は、モデル間の絶対的な当てはまりを評価することができない。そこで、今年度はさらにこれらの研究を発展させて、原理的に周辺構造モデルと構造平均モデルのどちらにも適用可能なグローバルな適合度検定を開発し、発表を行った(Taguri and Izumi 2014; 和泉・田栗, 2014)。 時間依存性交絡の存在下での周辺構造モデルに関する研究として、Talbot et al.(2015)が通常用いられる安定化したstabilized weightを用いたIPTW推定量が、安定化しないweightを用いたIPTW推定量よりもバイアスの観点で劣る場合があるとの報告を発表したが、これに対して、安定化しないweightを用いた方が良い状況を理論的に明らかにし、その状況が限られていることを述べたレターを発表した(Taguri, 2015)。関連した研究として、本質的に時間依存性交絡が存在する状況での推定問題である直接効果・間接効果の推定に関する新しい方法論の提案を行った(Taguri and Chiba, 2015)。 これらの研究成果をもとに、実データを用いてBMIを曝露因子としたデータ解析を行った。あるコホートデータに関する死亡の解析では、時間依存性交絡の程度があまり大きくないことが明らかになった。また、他のコホートデータに関するがん発症の解析では、BMIの総合効果だけでなく、効果を血液検査値等の増加を介した間接効果とそれを介しない直接効果に分解するmediation analysisを行い、このデータでは直接効果が非常に小さいことを確認した。
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