2012 Fiscal Year Research-status Report
統合失調症発症関連因子DISC1と結合するmRNAの網羅的同定と機能解析
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24700377
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
坪井 大輔 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80584672)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 統合失調症 |
Research Abstract |
本課題において申請者は、DISC1によるmRNA制御の生理的意義と分子機序を解明するため、1 .DISC1と結合するmRNAの同定と評価、2.DISC1ノックアウトマウスを用いたRNA輸送・翻訳機構メカニズムの解明に取り組んでいる。H24年度で申請者は、DISC1結合mRNAの同定と評価を試みた。申請者は既に同定していたDISC1結合mRNAについて正当性を評価するため、特異的遺伝子プライマーを用いたQPCR法によりDISC1結合mRNAの定量を試みた。Control IgGに比べてDISC1免疫沈降産物では、IP3R1とともに電位依存性イオンチャネル(CACNA1C, CACNA2D, KCNC1, KCNC4)やKalirin RhoGEF遺伝子をコードするmRNAが2~3倍まで濃縮していた。in vitro結合実験から、DISC1タンパク質が単離されたmRNAの3'UTRと直接結合することを明らかにした。申請者はゲノムレベルで網羅的にDISC1結合mRNAを同定するため、抗DISC1抗体を用いてマウス脳可溶化物から免疫沈降実験を行い、DISC1とともに共沈したRNAを用いてUV-crosslinking and immunoprecipitation assay (CLIP)法による遺伝子決定を試みた。しかしながら精製mRNAが極めて微量であったため、同定することができなかった。そこで申請者は、野生型およびDISC1ノックアウトマウスを用いてDNAマイクロアレイ解析を行い、変動するmRNAを調べた。変動する遺伝子の幾つかはシナプス機能分子であることがin silico解析から分かった。現在、変動したmRNAとDISC1が結合するかどうかを検討している。これらの結果から、申請者はDISC1が幾つかのシナプス機能関連分子のmRNA輸送・翻訳に関与していることを示唆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題において申請者は、DISC1によるmRNA制御の生理的意義と分子機序を解明するため、1)DISC1と結合するmRNAの網羅的同定、2)DISC1ノックアウトマウスを用いたRNA輸送・翻訳機構メカニズムの解明の2点を挙げ、研究を遂行している。研究計画に沿って、CLIP法によるDISC1結合mRNAの決定を試みたが、精製mRNAが極めて微量であったため同定するまでに至らなかった。そこで申請者は、野生型およびDISC1ノックアウトマウスを用いてDNAマイクロアレイ解析を行い、変動するmRNAを調べた。変動する遺伝子の幾つかはシナプス機能分子であることがin silico解析から分かった。mRNAはタンパク質と結合すると安定化することが知られていることから、DISC1ノックアウトマウスにてmRNA量が減少している分子は、DISC1結合mRNAを含んでいる可能性がある。実際に、マイクロアレイ解析にで同定された一部のmRNAはDISC1と結合することを予備的データとして見いだしている。従って、研究手法の変更があったものの、DISC1結合mRNAのスクリーニングについては代替手法により順調に進んでいるものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
H25年度では、H24年度の計画に引き続き、DISC1結合mRNAの同定を完了させることとともに、同定されたmRNAについて、神経細胞内でのmRNA輸送を詳細に解析する。まず申請者は、DISC1結合mRNAとして同定されたIP3タイプ1受容体(IP3R1), 電位依存性イオンチャネルやKalirinをコードするmRNAについて野生型およびDISC1ノックアウトマウス由来の神経細胞を用いてmRNA輸送・翻訳を解析するつもりである。また、mRNA輸送・翻訳機構へのDISC1の関与を詳細に解析する。具体的には、神経栄養因子BDNFはDISC1結合mRNAの1つであるIP3R1のタンパク質輸送・翻訳に関わっていることが知られていることから、BDNF刺激によるDISC1とIP3R1 mRNA結合制御機構を明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究計画書に沿って、順調に研究が進捗しているため、H25年度では当初の予定通り、実験動物用マウスや分子細胞生物学的解析に関わる試薬の購入に充てる予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] Disrupted-In-Schizoprenia-1 regulates transport of neuronal mRNA.2012
Author(s)
Tsuboi, D., Kuroda, K., Iizuka, Y., Okano, H., Mikoshiba, K., and Kaibuchi, K
Organizer
The 42nd Annual Meeting the Society for Neuroscience Society
Place of Presentation
ニューオリンズ、アメリカ
Year and Date
20121013-20121017
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