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2013 Fiscal Year Research-status Report

統合失調症発症関連因子DISC1と結合するmRNAの網羅的同定と機能解析

Research Project

Project/Area Number 24700377
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

坪井 大輔  名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80584672)

Keywords統合失調症
Research Abstract

平成24年までに申請者はDISC1免疫沈降産物を用いたRTPCR解析からDISC1と相互作用する幾つかのmRNA分子(CACNA1C, CACNA2D, KCNC1, KCNC4, Kalirin)を同定した。平成25年度で申請者は同定されたmRNA分子の樹状突起輸送におけるDISC1の関与について検討した。申請者は上記のmRNA分子の3'UTR領域をクローニングし、RNA可視化ベクターへサブクローニングした。KalirinやCACNA2Dの3'UTR RNAは樹状突起に局在し、DISC1はKalirin-3'UTRやCACNA2D-3'UTR RNAと一部共局在していた。DISC1ノックアウト神経では、Kalirin mRNAの樹状突起局在に異常が認められた。これらの知見はDISC1がIP3受容体とともに幾つかのシナプス機能制御分子をコードするmRNAの輸送を制御していることを示唆した。これまでに申請者はDISC1と相互作用する分子を100種類以上同定している。DISC1相互作用分子であるHZFはIP3R1 mRNAと直接相互作用することが報告されている。平成25年度で申請者は、DISC1がHZFのIP3R1 mRNA結合領域とは別の場所でIP3R1 mRNAと直接結合し、DISC1-HZF-IP3R1mRNA三者複合体を形成していることを見いだした。DISC1およびHZF発現細胞ライセートを用いたIP3R1-RNAプルダウン実験からDISC1のIP3R1 mRNAへの結合はHZF共発現により増加することが分かった。またDISC1-HZF間相互作用はIP3R1 mRNAの樹状突起輸送に必要であることを見いだした。これらの知見はDISC1がHZFと協調してmRNAの輸送を制御していることを示した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本課題において申請者は、DISC1によるmRNA制御プロセスの生理的意義とその分子基盤について検討した。研究計画に従い、申請者はDISC1と結合するmRNAの網羅的同定を行い、幾つかのシナプス制御分子をコードするmRNAを同定した。同定されたmRNAの一部はDISC1と樹状突起で共局在し、その局在にDISC1が関与していることを明らかにした。また申請者は、DISC1によるmRNA輸送メカニズム解析について、DISC1がHZFやIP3R1mRNAと三者複合体を形成しIP3R1 mRNAの輸送制御を行っていることを明らかにした。DISC1のリン酸化の生理的意義については解析を継続しているものの、これまでの知見から申請者はDISC1のmRNA制御プロセスにおける分子基盤の一端を明らかにすることができた。

Strategy for Future Research Activity

H25年度に引き続きH26年度で申請者は、DISC1のリン酸化の生理的意義について検討を行う。具体的には、DISC1-HZF-IP3R1mRNA三者複合体形成におけるERKリン酸化の影響を検討する。また神経栄養因子BDNFはIP3R1mRNAからの蛋白質翻訳に関与していることが知られていることから、DISC1が関わるmRNA翻訳機構におけるBDNF-MAPKカスケードの関与についても検討を行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成25年度研究計画において申請者は、DISC1のリン酸化部位の同定とその生理的意義の解明を目的として研究を遂行した。そして、DISC1フラグメントを用いたリン酸化プロテオミクス解析からDISC1リン酸化部位を複数同定した。申請者は複数のリン酸化候補部位に対してDISC1リン酸化部位特異的変異体やリン酸化抗体の作製に取り組んだが、平成25年度内にすべてのリン酸化部位を解析するまでには至らなかった。故に平成26年度においてDISC1リン酸化の生理的意義を明らかにするため、本課題における研究継続の必要性が生じた。
H25年度に引き続きH26年度で申請者は、DISC1のリン酸化の生理的意義について検討するため、DISC1リン酸化部位特異的変異体やリン酸化抗体の作製を行う。具体的には、神経発生過程におけるDISC1変異体発現の影響を調べるため、DNA精製カラムや遺伝子導入試薬、培養容器などを購入する。またリン酸化抗体に対するリコンビナント抗原の作製にあたり、蛋白質精製に関わる消耗品を購入する。

  • Research Products

    (2 results)

All 2013

All Presentation (2 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Presentation] 海馬神経細胞においてDISC1はIP3受容体mRNAの輸送を制御する2013

    • Author(s)
      坪井大輔
    • Organizer
      第36回日本神経科学大会
    • Place of Presentation
      国立京都国際会館(京都市)
    • Year and Date
      20130620-20130623
  • [Presentation] Patho-physiological functions of DISC1, a susceptibility gene of schizophrenia2013

    • Author(s)
      坪井大輔
    • Organizer
      The 2nd Brain Deseases and Molecular Machines Conference
    • Place of Presentation
      フランス大使館(東京都港区)
    • Year and Date
      20130527-20130528
    • Invited

URL: 

Published: 2015-05-28  

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