2013 Fiscal Year Research-status Report
ヒト癌組織の不均一性を考慮した信頼性の高いバイオマーカー測定システムの開発
Project/Area Number |
24700501
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
永井 毅 東京医科大学, 医学部, 助教 (60384989)
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Keywords | Ki-67 / 病理診断学 / 人間医工学 / 医用システム / 検査・診断法 / 腫瘍病理学 |
Research Abstract |
平成25年度は,研究対象をヒトに発生した卵巣癌および子宮体癌に拡げ,細胞増殖マーカー(Ki-67)やアポトーシスマーカー(TUNEL),p53等のバイオマーカーの不均一性の評価を行った.特に予後判定の目安として複数の研究グループより報告されているKi-67に注目すると,その発現率 (Ki-67 labeling index)は同じ腫瘍の中においても部位によって高低差(不均一性)が認められた.卵巣癌の代表的な組織型である漿液性腺癌においては,一般的に用いられている最も高い部分(hot spot)での評価を行うと,Ki-67 labeling indexは通常90%を超え,症例間の差はほとんど生じない.しかし,同じ腫瘍の中でもKi-67 labeling indexの低い部分に着目すると,症例間に差が生じることがわかった.また,腹膜やリンパ節等の卵巣癌の転移先においても,その部位によって高低差が認められた.子宮体癌(漿液性腺癌)においても同様の結果が得られた.以上より,癌組織の不均一性を考慮しアウトカム(再発,転移,生存率)との関連性を評価していくうえで重要な結果が得られたものと考えられた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究対象を広げ比較的効率よく研究成果が得られている.
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト卵巣癌,子宮体癌または唾液腺癌の組織標本を用いて腫瘍のバイオマーカーの評価システムを構築する.サンプリング方法の違いによる測定データのばらつきをコンピューター画像解析ソフトウェアを用いて臨床病理学的に検討していく予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究当初に計画していた予定額よりも本年度に購入した物品が少なかったこと,及び,投稿して受理された論文の掲載料,印刷代等が本年度内に請求されなかったことが理由として挙げられる. 1.研究協力者への謝金,2.バイオマーカーの購入,3.学会発表に必要とされる諸経費,4.論文の投稿料
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[Presentation] 分葉状頸管腺過形成が共存した子宮頸部胃型腺癌の一例2013
Author(s)
島田 ゆうか, 永井 毅, 小池 悦子, 三宅 真司, 片桐 仁子, 礒本 愛子, 大塚 清花, 長谷部 俊二, 松林 純, 大城 久, 高橋 礼典, 佐川 泰一, 長尾 俊孝
Organizer
日本臨床細胞学会
Place of Presentation
大阪
Year and Date
20131102-20131103
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[Presentation] 尿道に発生した明細胞腺癌の1例2013
Author(s)
片桐 仁子, 永井 毅, 三宅 真司, 小池 悦子, 桑原 淳, 渡部 顕章, 稲垣 敦史, 大城 久, 長尾 俊孝
Organizer
日本臨床細胞学会
Place of Presentation
東京
Year and Date
20130531-20130602