2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24700526
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
佐々木 努 信州大学, 医学部, 講師 (00404781)
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Keywords | 自動車運転 / 医療・福祉 / 脳神経疾患 |
Research Abstract |
医療機関で行える自動車運転能力評価の一部として,自動車運転状況判断能力評価システムの開発を行った.平成24・25年度において,1)運転動画を作成する,2)運転動画視聴中の健常有免者の注意配分特性を明らかにする,3)健常有免者の運転動画に対する状況判断能力を明らかにする,4)脳卒中患者の状況判断能力を明らかにする,の4課題に取り組んだ.研究結果は以下の通りである. 1)ドライブレコーダーを用いて撮影した運転動画から,8つの場面で構成される2分間の運転映像を作成した.また,運転映像に対する状況判断能力を測定するためにタッチパネル式ノート型PCで評価システムを構築した.2)8名の健常有免者の動画視聴中の視線運動を記録した.結果,被験者が指摘した危険が予測される箇所に大きな違いは認められなかったが,2つの注視点停留パターンがあることが明らかになった.3)67名の運転映像に対する危険箇所予測は,平均7±2.6個(範囲1-12個)であった.70%以上の被験者が指摘した箇所5か所を3点,40~69%の被験者が指摘した箇所5か所を2点,20~39%の被患者が指摘した3か所を1点,それ以下の頻度の箇所を0点として,0点(最低)~28点(最高)の評定点標準データを構築した.標準データは,Kolmogorov-Smirnov検定の結果正規性があることも確認された.標準データは平均17.1±5.6点であった.4)6名の脳卒中患者(発症約3か月)に対して同様の運転状況判断評価を実施したところ,平均12.3±8.9であり,特に運転再開が困難であろうと臨床上予測される症例の評定点が低かった. 以上の結果から,今回作成した状況判断能力評価は脳卒中患者の運転能力を予測できる可能性が示唆された.同時に,運転能力に必要とされるその他の認知機能検査も追加構築する必要性が明らかとなった.
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