2013 Fiscal Year Annual Research Report
胸郭筋群に対する筋硬度計の再現性と有用性の検証―呼吸理学療法評価の確立に向けて―
Project/Area Number |
24700561
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
松本 香好美 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 講師 (20586200)
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Keywords | 筋硬度計 / 胸郭筋群 / 呼吸理学療法 |
Research Abstract |
本研究の目的は,製作した胸郭筋群に対する筋硬度計の再現性と有用性を基礎的に検証することである. 当該年度は,対象を健常成人とし,フローセンサー(ルドルフ社製リニアニューモタコ)を用いて安静呼吸時,最大呼吸時,深呼吸時での呼吸のタイミングをそれぞれモニタリングしながら,製作した筋硬度計の接触子を直接測定部位に当て,吸気・呼気位での変位量を測定した.なお,測定部位は対象者の鎖骨内側1/2の第1肋間,胸骨内側2cmの第3肋間,胸骨内側10cmの第3肋間,胸骨内側15cmの第5肋間の4部位とした.また,本筋硬度計の接触面に対する圧は,1cm2あたり約500gとした.その結果,どの部位においても変位量にほとんど変化が認められなかった.そのため,本筋硬度計の接触面に対する圧を,1cm2あたり約750g,250gとし同様に測定を行ったがほとんど変化がなかった.この問題点として,健常成人の胸郭筋群が柔軟であること,本筋硬度計の接触面に対する圧が低いことが考えられる.しかしながら,本筋硬度計の接触面に対する圧が1cm2あたり約750gでは接触面にわずかな痛みを訴える者もあるため,改良する必要性の有無を含め再度検討した.そこで,呼気抵抗を加えることで胸郭筋群の筋緊張を高めることができれば,変位量も測定できると予測し,呼気抵抗を加える装置を製作した.測定部位により異なるが,フローと同期して変位量が変化しており,現在解析を急いでいる.本筋硬度計が重症COPDなどの胸郭筋群の筋緊張が高い疾患に対し,測定の可能性が期待されることは意義深い.
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