2014 Fiscal Year Annual Research Report
知覚―運動ループの不一致が痛覚および変化検出機構に及ぼす影響
Project/Area Number |
24700578
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大鶴 直史 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 助教 (50586542)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 神経科学 / 身体所有感 / 脳磁場計測装置 / 多感覚統合 |
Outline of Annual Research Achievements |
自分の体が自分自身のものであるという感覚(自己身体所有感)は、触覚、固有受容覚、視覚など多感覚の統合により成り立っていると考えられている。この自己身体所有感は、通常であれば破綻することはないが、慢性疼痛患者において異常が生じていることが知られており、さらに痛みと関連することが報告されている。しかし、身体所有感の変化が大脳皮質における体性感覚情報処理にどのような影響を及ぼすかは明らかとなっていなかった。そこで、本研究ではミラーボックスを用いて身体所有感の喪失状態をつくり、その喪失が体性感覚情報処理に与える影響を脳磁場計測装置を用いて調べた。結果、身体所有感の喪失は、一次体性感覚野を活動源とする成分(M50)を増大させることを明らかにした。このことは、M50が視覚、固有受容覚および触覚からの情報を統合した後の成分であることを示唆し、この成分が身体所有感の形成に関連する成分である可能性を示した。
|
Research Products
(4 results)