2013 Fiscal Year Annual Research Report
筋活動を考慮した高強度ランニングエコノミー評価法の開発
Project/Area Number |
24700643
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Research Institution | International Pacific University |
Principal Investigator |
吉岡 利貢 環太平洋大学, 体育学部, 講師 (60508852)
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Keywords | ランニングエコノミー / 長距離走 / 筋活動 / パフォーマンス |
Research Abstract |
本研究の目的は、低強度でのランニングにおける酸素摂取量(VO2)と筋活動の関係性(回帰式)に、レース速度で疾走中の筋活動量を代入することによって、レース速度におけるランニングエコノミー(RE)を推定する方法を開発すること、また、その有用性を競技パフォーマンスとの関係から明らかにすることであった。今年度は、学生長距離ランナー11名を対象に、4分間を5段階の連続的漸増負荷ランニングテストを実施し、各速度におけるVO2を測定した。その後、これらの速度での疾走時の下肢筋活動量、地面反力および下肢キネマティクスを測定するための間欠的漸増負荷テストを実施した。また、伸張-短縮サイクル(SSC)運動の遂行能力を評価するため、リバウンドジャンプ(RJ)テストを実施した。 以上のテストの結果、11名中8名において総活動量(大腿直筋、外側広筋、腓腹筋、ヒラメ筋および大腿二頭筋長頭の活動量の総和)とVO2との間に直線関係(r > 0.9)が確認された。この回帰式に1500m走のシーズン最高記録と同等の速度における総活動量を代入し、1500m速度におけるVO2(RE1500)を算出した。RE1500と1500m走パフォーマンスとの間には有意な相関関係は認められなかった。一方、最大下速度における酸素摂取量(REsub)とRJ指数(RJにおける跳躍高を接地時間で除した指標)の間には有意な相関関係が認められなかったが、RE1500とRJindexの間に有意な負の相関関係が認められた。また、1500m走速度における立脚期の膝関節屈曲量とRE1500の間にも有意な相関関係が認められた。 これらの結果は、超最大強度におけるREには、最大下強度と比較して、動作の特徴や伸張短縮サイクル運動の遂行能力が強く関与することを示唆している。今後は、SSC能力やランニング中の接地時間・滞空時間比、関節角度の変化量など、簡易な指標を用いて超最大強度のREを推定する手法を開発する必要があるだろう。
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Research Products
(1 results)