2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24700658
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
加藤 貴昭 慶應義塾大学, 環境情報学部, 准教授 (30365481)
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Keywords | スポーツ / 眼球運動 / 知覚運動スキル |
Research Abstract |
本年度(平成25年度)の研究目標は、昨年度の成果をもとに、引き続き各種スポーツ競技者の視覚探索および身体運動の同時計測による知覚運動スキルデータの獲得と、熟練競技者に共通する視覚探索および身体運動パターンの検証をすすめながら、各種スポーツ競技者の知覚運動スキルを実験室内にて評価するためのシミュレーション環境の構築を行うことであった。主な実績は以下の通りである。 「課題1:ライブ状況下での各種スポーツ競技者の視覚探索および身体運動の包括的評価実験」昨年度に引き続き様々なスポーツ競技およびタスクを取り上げ、実験対象を増やした。特にモータースポーツとしての自動車運転タスクにも着目し、実際の練習用サーキットにて自動車運転中のドライバーの眼球運動および車体運動の計測を行い、熟練者、中級者、初心者間の差異について実験的に検討を行った。 「課題2:熟練競技者に共通する視覚探索および身体運動パターンの解明(『遠山の目付』の検証)」昨年度に引き続き各種データを解析しながら、各競技及びタスクに共通するパターンについて更なる分析を行った。結果として、主に1対1場面におけるクローズドスキル環境においては、熟練者は視線移動を極力少なくし、身体反応を迅速に行い、結果としてタスクの成功率が高くなる傾向が見られたことから、視線の安定と周辺視の活用を示唆する結果となり、「遠山の目付」の一側面が明らかとなった。しかしながら身体運動との連携の詳細については更なるデータが必要となることから、今後の課題とした。 「課題3:実験室環境下での知覚運動スキル評価用シミュレーションの構築および評価」課題1で採用したモーションキャプチャシステムとの連携を踏まえ大型スクリーンによる映像投影を試みたが、映像描写中の遅延問題が解消されず、より精度の高い計測環境を構築するための課題が明確となった。
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