2012 Fiscal Year Research-status Report
高齢者における体動計の1年連続装着に基づく身体活動パターンと免疫機能の関係
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24700773
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Research Institution | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
Principal Investigator |
綾部 誠也 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (80407238)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 日常身体活動 |
Research Abstract |
平成24年度は,対象者の募集ならびにスクリーニング,そして,体動計の貸与,ならびに日常身体活動パターンの測定が主たる実施項目であった. 体動計は,既存の機種(ライフコーダ,スズケン社製)に独自に改良を加えたモデルであり,1日あたりの歩数,活動強度,消費カロリー,また,2分毎の活動強度を36日間にわたって記憶した.体動計配布後(身体活動測定期間中)は,月に一度,体動計に蓄積される測定データをパソコンへダウンロードし,電池の交換を行った.得られたデータは,採択基準を見合う場合にのみ採用し分析対象とした. 本年度は,このように,主に,日常身体活動の継続的測定が主であった.得られたデータについては,随時に身体活動の量,質,タイミングの分析を行っている.データのまとめ方については,身体活動の量(歩数)と質(中強度活動時間):毎日の歩数と中強度(安静代謝の3倍)以上での活動時間について,1年間の平均および変動係数(年内変動の指標),月ごとの変動係数の平均(日間変動の指標)および月ごとの平均の変動係数(月間・季節間変動の指標)としてまとめ,種々な健康関連変数との関係を調べる.身体活動のタイミング(早朝vs夕方):前項で身体活動の量や質が同程度でも,各変数のエンドポイントに差が出る可能性はある.したがって,どのようなパターンおよびタイミングで身体活動や運動を行うかは,高齢者の健康を考える上で重要な問題であると考えている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度については,研究計画の予定におおむね順調に進んでいる. これらの理由として,本研究は,研究を円滑に遂行するために,既に進行中の中之条研究に追加して行ったことがあげられる.本研究にともなう諸事業は,これまでのスタッフに協力を依頼して対象者募集から測定までを既存のシステムを活用して行った, また,申請者の所属機関のみならず,近隣の大学や自治体とも連携することにより,不足なく研究を推進できたと思われた. ただし,年度内に予定していた研究成果の発表については,その達成ができなかった.研究成果の公表についての学会発表については,旅行を伴うため,申請者の所属機関内での諸調整(他業務やスケジュールなど)が進まずに実現することが出来なかった.
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度も,月に一度,体動計のデータのダウンロード作業,電池の交換を継続して行う.測定開始から12ヵ月後に体動計を回収し,身体活動パターンの測定を終了する.同時に,免疫機能の測定を行う.免疫機能のマーカーとして,T細胞活性(CD3, CD4, CD8),NK細胞活性(CD16, CD56),好中球代謝活性(貪食能),PHAによるリンパ球幼若化活性,Con-Aによるリンパ球幼若化活性,唾液中分泌型IgA,血清グラニュライシン(細胞傷害性T細胞・NK細胞由来抗菌物質),血清サイトカイン(IL-2, -4, -6, -10, -18, TNF-α, IFN-α, IFN-β, IFN-γ) などとする これらのデータ収集,分析が完了次第に,研究成果を学術論文や学会発表として世間に還元する見込みである.特に,研究成果の公表については,平成24年度には達成できなかったため,平成25年度早々に先だって,平成24年度中の成果公表を急ぐ見込みである.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の予算計画のうち,主には,消耗品費に充当する見込みである.具体的には,体動計とその電池, 免疫機能の分析に伴う費用である. また,本年度は,平成24年度に達成できなかった研究成果の公表を積極的に行いたいと考えており,国内外の学術集会への参加費用(旅費)と学術論文投稿費用(論文別刷り)にも充当する見込みである.
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