2013 Fiscal Year Research-status Report
歩行に伴う人体帯電の予測を目的とした接触帯電特性を測定するシステムの開発
Project/Area Number |
24700797
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Research Institution | 地方独立行政法人大阪府立産業技術総合研究所 |
Principal Investigator |
平井 学 地方独立行政法人大阪府立産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (40530077)
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Keywords | 歩行帯電 / 接触分離 / 帯電量 / 静電気 |
Research Abstract |
本研究の目的は、乾燥期によく経験する静電気放電電撃ショックのない生活環境の構築に資するため、未だに十分に解明されていない歩行によって生じる人体帯電現象の実体を明らかにすることである。平成25年度は前年度に引き続き、履物と床材との接触によって移動する電荷量を実験的に推定するため、物質同士の接触のみで移動する電荷の量を測定する装置(以降、接触移動電荷量測定装置)の開発に取り組み、実際に数種類の絶縁体を用いて電荷量を測定した。得られた結果については学会で発表し、その定量性について議論・検討を行っているところである。また、接触時に電荷が移動するときの駆動力に関わると考えられる接触電位差を測定する装置の開発に取り組み、電極の振動とエレクトロメータによる電流測定を連動させる制御プログラムを作成した。24時間にわたる測定を実施したとき、電極の振動の中心が無視できないほどドリフトしていることがわかり、現在、この改善を検討している。また、歩行時の人体に発生する電位変化の測定結果について学会発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究は着実に推進しているが、地方独立行政法人への移行に伴って業務量が想定外に増加したことに加え、初年度に家族の病気等で、本研究の十字時間を十分に確保することができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は接触移動電荷量測定装置と接触電位差測定装置の製作を終えてデータ収集作業に移行した。平成26年度は引き続きこれらの装置を用いたデータ収集を行う。前者の装置は1回の接触と分離のみで生じる電荷を測定する目的で作製したが、人体の歩行において摩擦は切り離すことができないため、新たに同機を用いた摩擦帯電量の測定方法についても検討する。また、後者の装置はこれまでに、電極振動用のシリンダーにおいて24時間にわたる測定を実施したときに振動の中心のドリフトが顕著となることが明らかとなり、これを改善する必要がある。まず補正プログラムで対応可能かどうかを検討し、不可能と判断される場合にはドリフトが無視できるレベルのシリンダーを新たに購入して入れ替える。また一方で、講演会や学会等で成果発表や情報収集を行うとともに、活発な議論を通じて問題点の抽出・解決を図る。
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Research Products
(3 results)