2012 Fiscal Year Research-status Report
脳卒中患者における栄養療法とアウトカムとの関係の検討-必要累積エネルギー量の設定
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24700851
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
脇田 真季 武庫川女子大学, 生活環境学部, 助手 (40550819)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 脳卒中 / アウトカム / エネルギー摂取量 |
Research Abstract |
本研究は栄養サポートとアウトカムの関連を明らかにする目的で,脳卒中急性期の必要エネルギー量および栄養補給ルートの選択がアウトカムに与える影響について検討を行なっている。 アウトカム指標は,脳神経外科集中治療室(NCU)入室後90日間の累積生存率とした。まずNCU入室後90日目の生死の状況により対象を2群に分類し,背景およびエネルギー摂取量の比較検討を行なった。その結果,死亡群に比し生存群で,有意にエネルギー摂取量が多い結果を得た。したがってエネルギー摂取量が生死に関係していると考えられた。 次に脳卒中急性期の必要エネルギー量の検討のため,対象を0-8.25kcal/kg/day,8.25-16.5kcal/kg/day,16.5-25kcal/kg/day,25kcal/kg/day以上の4群に分け,アウトカムの比較を行なった。健康な成人のエネルギー必要量として25kcal/kg/dayが推奨されていることから,この25kcal/kg/dayを基準とし群分けを行なった。しかし25kcal/kg/day以上の対象は,その症例数が2例と少なかったため,今回の検討からは除外した。その結果,8.25-16.5kcal/kg/dayの摂取量の群で,累積生存率が有意に高値であった。したがって脳卒中急性期の適切なエネルギー摂取量は,8.25-16.5kcal/kg/dayの範囲にある可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は『脳卒中患者のアウトカムを改善させる栄養療法の確立』を目的としている。本研究期間内には栄養療法の中でも特に,脳卒中急性期のエネルギー摂取量に着目し,(1)脳卒中急性期の必要エネルギー量,および(2)脳卒中急性期の栄養補給ルート(経腸 or 静脈)がアウトカムに与える影響を検討する予定である。 前年度は特に脳卒中急性期の必要エネルギー量に注目し,検討を行なった。その結果,8.25-16.5kcal/kg/dayの摂取量の群で,累積生存率が有意に高値であった。したがって脳卒中急性期の適切なエネルギー摂取量は,8.25-16.5kcal/kg/dayの範囲にある可能性が考えられた。したがっておおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の検討は脳卒中の中でも,脳梗塞および脳内出血患者に焦点をあて実施した。したがってくも膜下出血患者は除外している。その理由としてくも膜下出血患者は,脳梗塞および脳内出血患者と比較し,若年の傾向があり,くも膜下出血患者の栄養サポートは異なると考えたためである。そのため今後の研究では,くも膜下出血患者のみを対象に,エネルギー摂取量の検討を行なう予定にしている。 さらに栄養補給ルート(経腸ルート or 静脈ルート)がアウトカムに与える影響についての検討も行ない,脳卒中急性期の患者に適している栄養補給ルートについて検討する予定にしている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年度に開催されましたヨーロッパ静脈経腸栄養学会(ESPEN)およびアメリカ静脈経腸栄養学会(ASPEN)への参加に伴う費用が,予定していたよりも少ない金額であったため,未使用金が発生した。 したがって未使用金を含めた,次年度の研究費の使用計画としては,以下のことを計画している。 研究に有用な情報を得るため,また研究結果を発表するため関連学会へ参加するための旅費として使用 論文投稿費に使用 臨床栄養,脳卒中,重症病態など,研究に関連する書籍の購入に使用 コピー用紙やインク,ファイルなど研究に使用する消耗品の購入に使用
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Research Products
(1 results)