2012 Fiscal Year Research-status Report
ソーシャルメディアを利用した思考図解化支援ツールの開発
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24700886
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤本 徹 東京大学, 大学院情報学環, 助教 (60589323)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 思考図解化支援 / ソーシャルメディア / コラボレーション |
Research Abstract |
本研究では、ソーシャルネットワーキングサービスのFacebookと連動した思考図解化支援Webアプリケーションのプロトタイプを開発した。Webブラウザ上でログインし、テーマを設定して書き込んだアイデアをツリー構造図で表示し、一人または複数人で共有しながら、ホワイトボードで付箋を張り替えるように自由に順序や位置を操作して構造図を作成できる機能を実装した。また、電子メールで返信するだけでアイデアを登録でき、利用者が時間的・空間的制約に縛られずに余暇時間や外出先などで思考した内容や、他者から提供された情報を活かした知的生産活動を促進・共有できるユビキタスな思考活動支援環境を当初研究計画で目指した形でほぼ実現した。 当初の計画通り、開発者へのヒアリングやツールの技術評価を通して、必要とされる機能要件や技術的制約の調査を行ったのち、本研究で開発する機能要件の詳細や開発の優先度を検討した。次に、調査から得た知見をもとに、メール返信でどこからでもデータをアップデートでき、Webブラウザ上で操作できる思考図解化ツールのプロトタイプを開発し、ネット上で利用できる環境に公開した。限られた予算での開発を迅速に行うため、少人数のグループワークや会議における思考支援を用途として想定した形で機能を絞り込んで実装を行った。プロジェクト関係者によるユーザーテストを通した不具合の把握、新たに必要が認められた実装機能の追加とシステムの改訂作業を継続的に行いながら、開発物の形成的評価を進めるとともに、一般利用者に対応するための利用環境の整備を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
24年度の目的として掲げた、「既存の関連ツールが実現できている機能と実現できていない機能の整理、技術的制約」、「汎用的なソーシャルネットワーキングサービスと連動した思考図解化ツールの機能や求められる開発要件」、「ツールのプロトタイプ開発と実装を通して、開発した機能が期待通り動作し、利用されているか。また期待通りに利用されない場合は何が障壁になっているか」、「このツールを導入することで、利用者の学習活動にもたらす影響」といった点については、開発の過程で検討を行った。機能の開発と実装は計画以上に進んでいる一方で、当初は初年度に行いたいと考えていた利用者数を増やした形でのユーザーテストの実施には至らず、内部的な評価を行った段階であるため、計画全体を総合的に見て、ほぼ順調に進展しているという認識である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の活動では、一般公開したツールの利用状況を評価し、改良後のツールが開発した機能が期待通り動作し、利用されているか。また期待通りに利用されない場合は何が障壁になっているかを把握する。また、開発した思考図解化ツールが利用者の思考活動や他者との協調した学習活動にもたらす影響について評価し、研究成果を取りまとめて国内外の学会等で発表を行う計画である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、主に開発したツールの修正にかかる費用や、被験者を集めたグループ学習活動による実証実験、研究成果の公開や発表のための経費を計上している。開発したツールの公開用ウェブサイトにかかる費用や、学会発表や論文投稿にかかる経費についても、本研究の成果を広めるために必要な経費として位置付けている。
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