2013 Fiscal Year Annual Research Report
ゲフィチニブの新規標的GAK阻害による間質性肺炎誘導機序の解析
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24700978
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
内藤 陽子 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任研究員(常勤) (10553026)
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Keywords | ゲフィチニブ / 癌抑制 / 間質性肺炎 |
Research Abstract |
ゲフィチニブのGAK阻害機構を調べるべく、本年度は、GAKが細胞増殖においてどの様なシグナル伝達を担っているのか解析した。これまでの解析より、GAKのキナーゼ活性阻害により、EGFRのリン酸化状態や下流のシグナル伝達の異常が見られたことから、GAKがEGF/EGFRシグナル制御に寄与すると考えられる。GAKのアミノ酸配列には、EGFRと相同なチロシンリン酸化モチーフが存在ため、これを標的とするキナーゼA, BがGAKをリン酸化する可能性がある。また、我々はこれまでにGAKが細胞周期のM期の進行に寄与することを明らかにしたことより、この細胞周期進行に関与するPLK、Aurora、Cdc2などのキナーゼについてもGAKを基質とするかについて調べた。この結果、キナーゼA、Bおよび複数の細胞周期進行関連キナーゼについてGAKを標的とすることが判明した。 キナーゼ以外にも、GAKがどの様な因子と相互作用しているかについて調べた。質量分析により得られた、候補となる因子との相互作用についての詳細な解析は今後の課題である。 また、GAKの臨床的特徴を調べるべく、ヒト前立腺全摘除術サンプルを用いて免疫染色を行ったところ、悪性度依存的にGAKが高発現していることが明らかとなった。また、前立腺癌以外にも様々な癌細胞株においてGAKが高発現していた。これらのことからも、GAK阻害が癌細胞の増殖抑制に寄与する可能性についても平行して解析を行ったところ、ゲフィチニブと異なる薬剤によるGAK阻害が、カスパーゼの上昇を介して癌細胞のアポトーシスを誘導する可能性が明らかになった。 本研究では、ゲフィチニブによるGAK阻害の呼吸器副作用に寄与する可能性について、GAKがどの様なシグナル制御を担っているのかに注目して解析を行った。加えて、別の癌種おいてはGAK阻害による癌細胞抑制効果についても明らかにした。
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Research Products
(1 results)