2012 Fiscal Year Research-status Report
アンチセンスRNAの機能解析と血液を用いた消化器癌の新規診断法の開発
Project/Area Number |
24701001
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高野 恵輔 筑波大学, 医学医療系, 講師 (70615038)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 腫瘍診断学 / アンチセンスRNA / 癌 |
Research Abstract |
本研究では、大腸癌・膵癌・胆道癌患者および健常人の末梢血からRNAを抽出し、独自に作製した約4万種のセンス/アンチセンスRNAの検出が可能なカスタムマイクロアレイで発現変化を網羅的に解析、リアルタイムRT-PCR及びin situ hybridization(ISH)で発現の確認を行う。ヒト大腸癌組織で我々が同定した特定のアンチセンスRNA(Kohno et al, Int J Oncol 2010)と末梢血中で共通に発現異常を示すセンス/アンチセンスRNAのプロファイリングを比較検討する。膵癌・胆道癌組織でも同様に検討を行う。それをもとに、新たに癌スクリーニング検査に有用な遺伝子の組み合わせを30個から50個に絞り込み、末梢血サンプルから診断可能な癌の新規バイオマーカーを同定する。また、ヒト大腸癌細胞株における特定のアンチセンスRNAをsiRNAでknock down, transductionして機能解析を行い、最終的にはアンチセンスRNAの発現と癌の予後、各種治療効果との相関を明らかにする。 平成24年度は研究をスタートさせるための準備と予備実験を中心に活動した。大腸癌に関しては、これまでに大腸癌患者28例、健常人6例のカスタムマイクロアレイによる網羅的解析を行った。術後1週間、3ヶ月の末梢血も解析している。解析の結果、有意差を認めるアンチセンスRNAを同定した。これらのアンチセンスRNAは大腸癌の新たな血中バイオマーカーとなる可能性がある。膵癌および胆道癌に関しては、患者の術前の血液および手術標本より癌組織のサンプリングを行い、現在も検体を収集中である。検体が集まり次第、マイクロアレイを行い解析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度で、大腸癌の検体に関しては、カスタムマイクロアレイを用いた網羅的解析まで進んでおりおおむね順調に進んでいる。膵癌・胆道癌に関しては症例がなかなか集まらない点があるが、今年度中には検体が集まり、マイクロアレイによる網羅的解析が行える予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、検体が集まり次第、膵癌・胆道癌の末梢血を用いたマイクロアレイ解析を行い、膵癌・胆道癌の早期診断に有用なアンチセンスRNAの特定を最大の目標とする。大腸癌に関しては、さらに症例を増やして解析を行い新規バイオマーカーの同定を目標とする。 4種類の大腸癌細胞株における癌スクリーニング診断に有用と思われる候補アンチセンスRNAの発現をリアルタイムRT-PCRで検討する。候補アンチセンスRNAのシークエンスを行い、センスRNAとオーバーラップする領域にsiRNAを設計する。癌特異的糖鎖抗体を表面に持つマイクロカプセルに封入して培養大腸癌細胞株に添加し、アンチセンスRNAを選択的にsiRNAでknock downもしくは、transductionさせ、細胞増殖速度の変化やアポトーシスの程度を検討し、サイレンシング療法に使える遺伝子の候補を絞る。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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