2013 Fiscal Year Research-status Report
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24710024
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
岩崎 杉紀 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, 応用科学群, 准教授 (30535274)
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Keywords | 対流活動 |
Research Abstract |
2つのわずかに撮影時間が異なる赤外画像を取得する衛星搭載センサ(IIRとMODIS)の校正を行った。これにより、人工衛星で初めて「積乱雲の雲の高さの鉛直速度(雲頂高度の時間変化)」と「積乱雲の降雨の激しさ(IIRやMODISと同期観測を行った衛星搭載雲レーダCloudSatのエコーのデータ)」を比較することに成功し、その成長・減衰過程を調べ、以下の論文にまとめた。論文のデータ校正の個所を担当した。 Luo, Z. J., J. Jeyaratnam, S. Iwasaki, H., Takahashi, and R. Anderson, 2014: Convective vertical velocity and cloud internal vertical structure: An A-Train perspective, Geophysical Research Letter, 41, 723-729, doi:10.1002/2013GL058922. 数値モデルのWRFを用い、オーバーシュート(極めて発達した積乱雲の頂上の雲)が下部成層圏に及ぼす影響を再現しようと試みた。観測事例そのものを再現することが出来ないことが分かったので、観測データの解析に役立てることはできなかった。しかし、数値実験では、下部成層圏を乾燥させる可能性を示唆できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)当初計画にはなかった2つの異なる赤外センサの画像の差分を用いた論文が掲載されたため、(2)数値モデルでオーバーシュートが下部成層圏に及ぼす影響を調べられ、(3)ミャンマーのヤンゴン沖の特異な積乱雲の解析を行えているため、研究は順調に行えていると思う。
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Strategy for Future Research Activity |
複数の人工衛星のA-trainがヤンゴン沖で観測した特異な積乱雲の解析を行う。これは、減衰しかけた積乱雲の上の成層圏に水平方向に100kmにわたる大きな「かなとこ雲」で、このような事例はおそらく過去にも見つかっていない。ラジオゾンデやGPSによる気温の鉛直分布を見ると、対流圏と成層圏の境界(圏界面)の高さがはっきりしないことが分かった。ただ、これらは対象とする積乱雲から遠かったりするので、現在、他の詳細なデータがないかミャンマー気象台に問い合わせている。データがない場合、はっきりしない圏界面の時にどの程度頻度高く積乱雲が存在しているか見積もり、同様の現象の出現頻度を見積もる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
初年度に計算機とそれ用の解析ソフトを別予算で低スペックのものであるが調達できたため。これは、配分された予算ではこれらを購入できなかったためである。 日本では同様の研究をしている研究者がいないので、米国の大学や研究所に赴いて本研究内容の討論を行いたいと考えている。
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Research Products
(4 results)