2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24710132
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
加藤 晴久 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 主任研究員 (10462839)
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Keywords | 分散性 / 分散剤 / ナノ材料 / DLS / PFG-NMR / ゼータ電位 / ナノ炭素材料 |
Research Abstract |
H25FYでは主にカーボンブラックならびにグラフェンにおける液中分散方法を検討した。分散剤としては、昨年度に引き続き、高分子分散剤ならびに低分子分散剤を用いて分散検討を実施した。高分子分散剤としてはBSA、肺サーファクタント、CMCを用いた。低分子分散剤としてはTween80、Triton、Puluonicを用い、超音波分散時間、超音波パワーならびに分散温度等の条件を変化させ、分散の最適条件を検討した。 作製した分散液の安定性については動的光散乱を用い、その粒径変化ならびに光散乱強度変化から評価を実施した。各ナノ炭素材料における分散剤による表面電位の違いについてはゼータ電位を用いた検討を実施した。結果、安定的に分散された分散液のゼータ電位 値は、分散剤にかかわらずその絶対値は比較的小さく、安定性は粒子間の静電反発相互作用ではなく、立体反発相互作用等がかかわっていることがDLVO理論より解明された。 さらにPFG-NMRによる自由ならびに束縛分散剤挙動についての検討を実施した。具体的には初期分散時における分散剤に対し、その後の更なる分散安定性を誘起するための分散剤の添加を実施した際に、分散剤置換が起こるかについての評価を中心に実施した。結果、初期分散に利用した分散剤はどれも非常に強くナノ炭素材料に束縛されており、その後に添加した分散剤は弱い相互作用するものの置換は起こらないことが確認された。 これらの成果を”Behavior of Surfactants in Aqueous Dispersions of Single-Walled Carbon Nanotubes”のタイトルで査読付き論文としてRSC Advanceにて発表し、さらにイギリスで開催されたNano energy学会において成果発表を実施した。
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