2013 Fiscal Year Research-status Report
マルチモーダル会話分析による同意・非同意の強弱の可視化プロセスの記述に向けて
Project/Area Number |
24720171
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
杉浦 秀行 茨城大学, 留学生センター, 講師 (70619626)
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Keywords | 同意の強弱 / 指差し / 姿勢 / 頷き / 国際語用論学会 / 会話分析ワーキング・グループ / データ収集 |
Research Abstract |
今年度の実施計画は「「同意の強さのバリエーションとその構築プロセス」について本格的な分析を開始し、同意の強弱をマルチモダリティーの枠組みで考察することによって、その可視化のプロセスの中で、会話参加者の言語的要素・非言語的要素の使用について、どのような違いが生じているかを明らかにする。そして、この分析結果に基づいて、論文執筆を開始する。また、引き続き関連文献からの情報収取を継続するとともに、関連学会、研究会(会話分析のデータセッション)への参加によって情報収集する。さらに、予備的考察で得た結果を国際語用論学会、日本語/韓国語学会(Japanese/Korean Linguistics Conference)などの国際学会を中心に発表する」ということであった。 同意の強弱に関する本格的な分析については、上記の当初の計画通り順調に進んだ。特に「強い同意」については、とりわけ同意話者が差し出す相手に向けた指さしとそれに付随する話者の姿勢、頷きとが呼応することで、「強い同意」が公然化されていることが明らかとなった。同意する際に相手に向けた指さしが「強い同意」の指標となっていることは、これまでの会話分析的研究では指摘されておらず、注目すべき発見であった。この成果の一部を国際語用論学会、国内の学会並びに研究会で発表した。また、東京に若手の会話分析ワーキング・グループが立ち上がり、月一ベースで行われるデータセッションへ参加し、分析力を磨く機会も多くあり、同時に仲間の研究者との情報交換も活発に行う機会があり、実りが多かった。しかしながら、データ収集とデータの書き起こし作業が思うように進展しなかった。データ収集・データの書き起こし作業については、進め方を再考し、研究の進展がスムースにいくようにしていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1. 収集について、会話データの録画への協力者がうまく見つからなかった。 2. データの書き起こしについては、学生アルバイトによる作業を行ったが、休み中の学生のスケジュールと研究者のスケジュールが合わなかったりすることが多く、思うように進展しなかった。 3. 本格的な論文執筆に至るまでには、もう少し分析を(特にデータ数を増やして)進める必要があると判断したため、論文執筆が思うように進展しなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
・昨年度から続けているデータ収集については、引き続き継続し、研究者の所属する大学での募集の仕方を再考し、来年度新たなやり方で募集し、データ収集を行う ・データの書き起こしは、これまで学生アルバイトというやり方で行ってきたが、効率性・時間を考え、業者委託という形で行い、分析の進展を図る ・同意の強弱について、さらなる分析を進めると同時に、非同意の強弱についても分析を開始する
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
・学生アルバイトによるデータ書き起こし作業とデータの編集作業が思うように進展しなかったため ・旅費が思ったよりも抑えられたため ・データ書き起こし作業については、作業効率を高めるため、業者委託をする ・英文での論文執筆に当たり、language edit serviceのための謝金に充てる
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