2013 Fiscal Year Research-status Report
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24720267
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Research Institution | Tokiwa University |
Principal Investigator |
中西 貴行 常磐大学, 人間科学部, 准教授 (10406019)
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Keywords | 多読 / 英語教育 / メタ分析 / 調整変数分析 / ER |
Research Abstract |
本研究では、過去に行われた英語多読研究を「メタ分析」を用いて統合し、英語多読効果の検証を行うため、多くの論文を継続して集めていった。その結果、100を超える論文が今回の対象となり、それぞれを精査していった。その中で効果量の測定ができるものに関しては実施し、データベースに加えていった。 このようにして随時集めた研究は、表にまとめていった。この表に、実験群と統制群の平均、標準偏差を抜き出していく。その際に、各研究がどこに焦点を置いているのかも把握し、各項目に分類していく。次にそれぞれの入力した研究の効果量(d)を算出する。入力の際には、項目として研究者、年代、サンプル数、語数、多読の実施期間、扱った項目、研究手法を示した。この時に必要な情報を載せていない論文については、筆者に連絡してデータについて質問するなどの作業を行った。さらに分析方法において問題のある論文、例えば多重比較においてp値の調節がないものなどは、特に気をつける必要がある。そして、より詳細な分析方法として、現時点ではLipsey & Wilson (2001)に基づき、統制群のある研究とない研究で2つのグループを構成した。例えば、統制群なしで行っている実証研究では、Fujimori, 2006;Greenberg et.al, 2006; Hayashi, 1999; Horst, 2005などがあり、明確な区別をした。これまでの結果をSecond language learning environment: Increasing input. と題してInternational Conference on Education and Social Sciences (ICEASS)にて研究発表を行った。最終年度は、AILA国際学会に研究発表が採択されているため最終的な発表を視野に入れている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度同様、効果量測定には苦労しているが計画通り進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の効果量をもとに、調整変数分析の変数を決定・分析前年度の多読における全体の効果量をもとに調整変数分析を行う。Lipsey & Wilson (2001)の以下の5点のフレームワークに基づいて進める。1 distinguising feature 2 research respondents 3 key variables 4 research design 5 cultural and linguistic rangeである。この最終段階において気をつけなければならないことは、各研究のサンプル数が違うということである。質の良い研究でもサンプル数が少ないと、質に問題があるがサンプル数の多い研究に比べ、見劣ってしまったり、実際の多読効果がうまく現れない可能性もあるため十分な考慮と、注意が必要となる。そして、すべての効果量を統計的に統合した後、語数、多読の実施期間別などに分類し、細かい結果を調べていくことによって、英語力を向上させるために必要な語数、実施期間を知ることができる。多読効果がある、ないと両方の結果を示した論文が混在する中で、すべてを同じ座標に置くことで実際の効果はどうなのかを最終検証する。その結果を学会誌に投稿し、多読効果についての提案を行う。調整変数分析については、corrective feedbackやinteraction researchでLi(2010), Plonsky & Gass(2011)らが行った研究を参考に、どのように変数を構成し、分析へと進んでいくかを検討していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
計画通り進んでおります。端数が生じたため次年度の使用額が生じました。 当初の計画通りに進めていきます。
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