2014 Fiscal Year Research-status Report
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24720331
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
中町 信孝 甲南大学, 文学部, 准教授 (70465384)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | イスラーム史 / 文献学 / 写本研究 / 国際情報交換 / ベルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
4月には、昨年度以来交流を続けていたベルギーのリエージュ大学よりフレデリック・ボダン教授が来日し、その際に京都大学で「マクリーズィーとヤサ」と題する講演セミナーを開催し、アラビア語写本研究に関する同教授の最新の知見を紹介されるとともに、情報交換を行った。なおここでの学術交流は、平成27年度に日本学術振興会外国人研究者招へい事業(短期)によりボダン教授に再来日していただく事業として実を結んでいる。 夏期には米国シカゴに滞在し、シカゴ大学付属図書館での資料調査を行った。同大学ではアラビア語史料はもちろんのこと、アラビア語および英語等による研究文献が網羅的に収集されており、一昨年度の滞在の際には確認できなかった貴重な文献を数点、閲覧、複写することができた。 また、国内において3回の研究発表を行う機会があった。7月の関西中世史研究会では、主に西洋史研究者の前で比較史的観点から知識人研究にかんする発表を行い、有意義な助言を得ることができた。12月の歴史学会シンポジウムは軍事史に関わる内容であったが、最新の写本研究に基づく研究成果を報告し、広いジャンルにわたる参加者との間に有益な意見交換を行った。2月の千葉大学ミニシンポジウムは、読書史・書物史にかんする比較研究の場で登壇の機会を得て、本科研費研究のメインテーマに関わる内容を日本史や西洋史の研究者と共有することができた。 成果発表としては、中世アラブの歴史書執筆にかんする一章を担当した単行本『イスラーム 書物の歴史』が6月に刊行された。また上記国内研究発表のうち、歴史学会シンポジウムにかかわるものの出版が決まっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度に情勢悪化のために延期したエジプトでの文書調査を、今年度の1月に実行する予定であった。しかし1月25日の「革命記念日」を境に再びエジプトの情勢が悪化し、再度延期せざるをえなくなった。また、当初予定していた北米中東学会(MESA)での研究発表は、大学での業務と日程的に重なったために、参加を見合わせた。
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Strategy for Future Research Activity |
11月に北米中東学会での研究発表を行うために、これまでの研究成果の総括を行う。ただし、学会期間中のアメリカへの渡航が難しい場合には、それに相当する欧米の研究会に、期間をずらして参加することも検討する。また、場合によってはエジプト国立文書館でのワクフ文書の調査に振り替えることもありうる。
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Causes of Carryover |
当初予定していた北米中東学会(MESA)での研究発表は、大学での業務と日程的に重なったために、参加を見合わせた。また、さらに前年度より実行を予定していたエジプトでの史料調査は、1月25日の「革命記念日」を境にエジプトの情勢が悪化したため,再度延期せざるをえなくなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
11月に北米中東学会での研究発表を行うために、これまでの研究成果の総括を行う。ただし、学会期間中のアメリカへの渡航が難しい場合には、それに相当する欧米の研究会に、期間をずらして参加することも検討する。また、場合によってはエジプト国立文書館でのワクフ文書の調査に振り替えることもありうる。
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