2013 Fiscal Year Annual Research Report
縄文・弥生移行期における石器石材資源の開発と流通に関する復元的研究
Project/Area Number |
24720352
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
杉山 浩平 東京大学, 総合文化研究科, 特任研究員 (60588226)
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Keywords | 考古学 / 黒曜石 / 石器 / 伊豆天城柏峠 / 自然環境 |
Research Abstract |
平成24年度から平成25年度においては、当初の研究計画に沿う形で次の3つの項目について研究を行った。 1つめは黒曜石の流通を解明するために静岡県伊豆市に所在する柏峠黒曜石原産地の発掘調査を行った。その結果、縄文時代早期および晩期の遺物(縄文土器と石器)を検出することができた。柏峠黒曜石原産地はこれまで全く発掘調査が行われていなかった原産地であり、本研究において初めて発掘調査を行い、遺物を検出した意義は非常に大きい。残念ながら、当初想定した黒曜石の原石を得るために掘られた採掘坑の存在については、レーダー探査を併用して行った結果、現段階では否定的な見解を持ちつつある。しかし、2回の発掘調査で得られた石器類を見れば、黒曜石の原産地での石器製作活動が行われたことは明らかであり、十二分な研究成果を挙げることができたといえる。なお、2回の発掘調査の成果については、概報を刊行した。 2つめとしては、縄文時代後期から晩期の石材の流通と自然環境の変化との因果関係をを検討するために、神奈川県南足柄市に所在する五反畑遺跡の出土資料の分析を行い、発掘調査報告書ならびに論文を執筆した。 3つめとしては、弥生時代の中期の石器の流通とその利用形態を検討するために、資料調査を行い書籍ならびに論文を執筆した。
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