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2012 Fiscal Year Research-status Report

甲冑編年の再構築に基づくモノの履歴と扱いの研究

Research Project

Project/Area Number 24720368
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionNara National Research Institute for Cultural Properties

Principal Investigator

川畑 純  独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, その他部局等, 研究員 (60620911)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2016-03-31
Keywords考古学 / 武器 / 武具 / 古墳
Research Abstract

本年度は古墳時代中期の鉄製甲冑の基礎的なデータベース構築のため、報告書の収集を中心とする作業をおこなった。また、資料の実見によるデータの収集のための機材(モバイルPC・デジタルカメラ・実測用機材・実測用消耗品など)を購入し、一部では資料調査を実施した。
6月30日~7月1日にかけては、新潟県飯綱考古博物館において、飯綱山10号古墳出土短甲・鉄鏃の実見調査をおこなった。11月24日には愛知県名古屋市博物館において、伝岡崎出土短甲・鉄鏃・刀剣・馬具類の調査をおこなった。11月25日には長野県松本市考古博物館において、開き松古墳出土冑ならびに桜ヶ丘古墳出土短甲・冑・鉄鏃の調査をおこなった。
本年度の資料の実見調査により、詳細な実測図が公表されていない資料については実見による出土品の直接調査が必要なことが判明した。また、短甲1点や冑1点に対しての調査にどの程度の時間が必要であるのかが明らかとなった。これにより、次年度以降の調査計画をより綿密に立てることが可能となり、また資料の実見の優先順位付けをすることが可能になった。
鉄製甲冑の基礎的なデータベース作製については、特に資料点数の多い短甲については今後も報告書の収集に加えて資料の実見をおこない、継続していく必要がある。その一方で研究対象のひとつである眉庇付冑についてはデータの収集がほぼ完了したため、分析を進めることが可能な段階へと到達することができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は古墳時代中期の鉄製甲冑の基礎的なデータベース作成のための資料収集、データ収集がおもな目的であった。データの収集については今後も継続しておこなっていく必要があるが、文献の収集が比較的順調に進んでおり、個々の文献や報告書から得られるデータ精度の違いが明らかになりつつある。これにより、今後本格化させる予定である資料の実見による調査が必要な資料のピックアップが可能になると考える。データの収集については、特に短甲は今後努力が必要であるが、研究対象の一つである眉庇付冑についてはほぼ完了しており、分析の段階に入ることができておりかなり順調に進んでいるといえる。
一方で、資料の実見については本年度はデータベースの構築に労力を大きく割いたため当初予定と比較してやや進展させることができなかった。しかし、本年度の実見調査によりどの程度の情報が不明な資料について特に実見による調査が必要であるのかが明らかとすることができたため、今後の資料調査の計画・指針を得ることができたといえる。
以上から、データベース構築については順調に進展させることができたが、資料の実見についてはわずかながら遅れがでているといえる。両方を総合すれば、本調査はおおむね順調に進展しているということができる。

Strategy for Future Research Activity

今後はまだ完成をみてない古墳時代中期の甲冑の基礎データを収集したデータベースの構築を第一の目標として設定する。特に資料点数が多い短甲については、既刊の報告書等によって明らかにされているデータにも精粗があるため、資料の実見による調査を順調に進めるためにもいち早くある程度の体裁を整えたデータベースを構築する必要がある。そのために引き続き文献の収集に努める必要がある。
また、資料の実見・調査が必要であることが判明した資料については、すみやかに実見・調査をおこないデータを収集する必要がある。データの収集を円滑に進めるために、近在する機関で所蔵している資料をまとまった形で調査できるように、効率的な資料調査計画を立てる必要がある。そのためにも報告書などに基づくデータベースの作製を資料の実見・調査計画と関連づけて効率的に進めていく。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度はデータベース作成のための報告書や図書の購入と、各地で所蔵されている資料の実見のための旅費が、研究費使用の中心的な品目になると考えている。
特に図書の購入では、多くの資料の写真が掲載されている『考古資料大鑑』や現在所在が不明となった資料の写真などが多く掲載されている『日本上代の甲冑』といった高価な図書の購入も視野に入れておきたい。
一方の各地で所蔵されている資料の実見・調査については、遺存状態が良好な資料が数多く出土した宮崎県や、鉄製甲冑の出土点数が西日本としては卓越する福岡県などを中心として調査を進めたいと考えている。調査においては連続した複数日を利用して、近在する各機関の資料を効率的に調査したいと考えており、数日程度の出張をおこないたいと考える。ただしこれらの調査については、資料の所蔵機関との調整が必要であるため、調査が必要な資料の優先順位付けをもとにして、先方等の調整を図りつつ進める。

  • Research Products

    (2 results)

All 2012 Other

All Journal Article (1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 衝角付冑補論-製作工程に注目する-2012

    • Author(s)
      川畑 純
    • Journal Title

      奈良文化財研究所学報第92冊 文化財論叢

      Volume: IV Pages: 197-214

  • [Presentation] 眉庇付冑の系統と変遷―初期金工品の生産体制・格差標識の転回―

    • Author(s)
      川畑 純
    • Organizer
      考古学研究会 関西例会
    • Place of Presentation
      ボランティアインフォメーションセンター会議室

URL: 

Published: 2014-07-24  

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