2012 Fiscal Year Research-status Report
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24720381
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
半澤 誠司 明治学院大学, 社会学部, 准教授 (20514954)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | コンテンツ産業 / アニメーション産業 / ゲーム産業 / デジタル化 / 地方分散 |
Research Abstract |
本年度は、本調査を実施する準備として、既存調査や統計類の整理といった事前作業に注力した。これは、本研究の前段階として行った調査のまとめと報告も含むため、今後の調査協力を調査先から得やすくするためには、必要不可欠な作業であった。しかし、事前作業に手間取り想定以上の時間を要したため、当初計画と異なり、本年度には本調査に入れなかった点では、問題がある。ただ、事前作業はほぼ完了したため、今年度からまずアニメ産業に関する本調査に移行する。 本年度におこなった事前作業の成果は、主に以下の3点である。 第1に、アニメ産業におけるデジタル化の内実と、その分業体制に与えた影響を解明した。東京近辺の企業への調査が中心だが、地方企業も調査をしており、これによって、アニメ産業におけるデジタル化がどのようなものであったかが明らかとなった。したがって、地方企業の調査を円滑に行うための下地は整った。第2に、一般的にはコンテンツ産業を包含する概念である文化産業全般の立地について概観し、コンテンツ産業の中でも特に多人数で制作される業種が、東京都への集積傾向を示すことを確認した。それゆえ、アニメ産業とゲーム産業で進行している地方分散が、極めて興味深い現象であることが浮き彫りになった。第3に、なぜ地理学において文化産業が注目を集めているのかを整理し、本研究の意義の明確化を行った。以上の成果によって、円滑な本調査の実施が可能になったといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度から行う予定であった本調査を実施できていないが、事前準備的な研究業績は複数公刊できているため、やや遅れているという評価である。遅れた理由は大きく2つある。 第1に、本調査に移行する前に、これまでの研究成果を整理して調査先に報告すると共に、統計資料と研究動向の整理も行う必要があったが、それに時間を要してしまった。調査対象産業が、現在過渡期にあるため様々な事象が複雑に関係し、産業全体の方向性の整理と理解に難航したことが主因である。 第2に、本調査を行うための事前調整を行う際に、一部の調査予定先からの反応が芳しくなかったこともあり、別の方向性からのアプローチを探っていることがある。
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Strategy for Future Research Activity |
全体としては、アニメ産業に関する調査を本格化すると共に、並行してゲーム会社への調査に一部着手することで、当初予定からの遅れを挽回したいと考えている。そのため、まとまった時間が確保できなくとも隙間時間を縫って調査を進めると共に、アルバイトの活用によって、調査資料整理時間の短縮を図りたい。 アニメ会社への本調査に関しては、かつて調査を行った企業に加え、調査を行ったことが無いものの、新しい調査先として適切と考えられる企業を選定している。この調査依頼を円滑に進めるために、本年度に行った研究成果整理と報告が、有効であると考えている。そのため、本年度に予定していたアニメ会社調査を次年度に移行すると共に、次年度に当初予定していたゲーム会社調査もある程度実施する。 ゲーム会社に関しては、アニメ会社と異なり、比較的近い時期に行った調査が存在していないため、2002年度調査時からの変化を確認していきたいと考えている。したがって、調査先自体の消滅などもありうるため、早めに調査先への接触が可能かの確認を行い、その状況を踏まえて本調査に移行する。 また、ゲーム産業におけるソフトウェア発売状況に関する情報や、コンテンツ産業の企業立地状況に関する経済センサスの資料などの整理は引き続き行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度に実施できなかった調査に関する費用を、次年度に集中的に使用する。そのため、旅費や文字起こし代行費用などの調査関係費を、当初予定よりも多めに使用する。 さらに、統計資料の入力や整理など外部委託可能な事柄に関しては、それを極力利用することで申請者の負担を軽減し、申請者はより中核的な事柄に注力することで、調査計画の遅れを取り戻す。
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Research Products
(4 results)