2014 Fiscal Year Annual Research Report
債権回収率の実証分析及び債権回収率を考慮した信用リスク理論モデルの構築
Project/Area Number |
24730192
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
伊藤 有希 横浜国立大学, 国際社会科学研究院, 准教授 (70579606)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 企業倒産 / 債権回収 / 信用リスク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は企業の倒産前の財務データなどの情報と企業倒産の関係及び,企業の倒産前の財務データなどの情報と倒産時の債権回収率の関係を明らかにすることを目的とする. 平成26年度は,平成25年度までに構築した企業の情報と倒産に関する理論モデルと企業倒産に関するデータベースにもとづいて,倒産前の企業の財務データから企業倒産の予測に関する実証分析を行った.実証分析の結果,総資本経常利益率の小さい企業,資産に対して負債の大きい企業,フリーキャッシュフローの小さい企業ほど倒産しやすいことが明らかになった.また,平均勤続年数が大きい企業ほど倒産しやすいことが明らかになった.平均勤続年数といった非財務データが倒産に有意に影響を与えていることを明らかにしたことが本研究の大きな貢献である.また,本研究で用いた企業倒産予測モデルは,有価証券報告書から得られるデータのみで実証分析が可能となる.本研究の企業倒産予測モデルで企業のスコアリングや格付けを行った結果,格付機関の格付と同程度の企業倒産予測精度があることが示された.これはインサンプルだけではなく,アウトオブサンプルにおいても同じような結果となったため,結果は頑健であるといえる.この成果は,ディスカッションペーパーとして公開している.また,複数の学会において発表を行った.また,企業の倒産前の財務データと倒産時点での債権の状況の関係についても実証分析を行った.
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Research Products
(3 results)