2013 Fiscal Year Annual Research Report
伝統産業とNPOの創発的コラボレーションによる地域活性化モデルに関する研究
Project/Area Number |
24730345
|
Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
東 俊之 金沢工業大学, 基礎教育部, 講師 (20465488)
|
Keywords | 組織間コラボレーション / 伝統産業 / NPO / 地域活性化 / 創発的コラボレーション / 弱連携 |
Research Abstract |
本年度は、「創発的組織間コラボレーション」の理論的枠組みを更に精緻するとともに、実証を行うことに主眼をおいて研究を進めた。 まず、理論の精緻化であるが、昨年度に言及された、地域住民の意識変化を促すような「制度的企業家」の役割が不可欠、という視点をより実践的な枠組みにするために、更に掘り下げて検討を進めた。その結果、地域コミュニティに「弱連携」を生み出していく働きがNPOには必要であり、そのために地域の様々なアクターに信頼されるように事業を継続し、かつ他組織との協力体制を維持することが不可欠であることが発見された。上記の内容は、日本マネジメント学会第67回全国研究大会、実践経営学会第56回全国大会、で研究発表している。 また、実証研究は、佐賀県有田町(有田焼)、栃木県益子町(益子焼)という伝統的工芸品産地でのインタビューならびにフィールド調査、伝統産業を核とする地域活性化に取り組んでいるNPOへのインタビュー調査、NPOと企業とのコラボレーションを仲介する中間支援型組織(NPO)へのインタビュー調査など、他方向から行った。その結果、①産業・産地、地域主体の特性によりNPOのコーディネーターとしての役割が変化すること、②「伝統産業従事者が創設したNPOによる地域活性化」と「まちづくりNPOによる伝統産業を核とした地域活性化」に本質的な違いがあること、③伝統産業とNPOとの協働を架橋する第三者が必要性を検討すべきであること、が発見された。本研究は、追加の調査を行い、2014年度中に研究発表する予定である。なお、当初はアンケート調査を実施する予定であったが、定性的調査の方がより有効であると考え、実施しなかった。 更に、伝統産業が地域活性化に果たす役割についても、先行研究の検討を中心にまとめた。この研究は、『日本学研究』(金沢工業大学)第16号、に所収されている。
|
Research Products
(5 results)