2013 Fiscal Year Annual Research Report
介護態度が高齢者のBPSDに及ぼす影響についての調査的研究
Project/Area Number |
24730474
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
山村 豊 帝京大学, 教育学部, 准教授 (40383153)
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Keywords | BPSD / 介護態度 / 介護負担・肯定感 / 家族介護者 |
Research Abstract |
本研究の目的は、認知症高齢者を在宅で介護する家族介護者の介護態度がBPSDに及ぼす影響を調査することであった。平成24年度に行ったアンケートの作成および調査を実施していただける施設・事業所の確保に基づき、平成25年度では、茨城県、千葉県、埼玉県、東京都、福岡県、沖縄県のデイサービスセンターを利用する高齢者のご家族にアンケート調査を実施した。950部を配布し648件回収した。実施期間は平成25年7月~12月までであった。アンケートの構成は、認知症・非認知症高齢者と主に介護を担う家族介護者の基本属性および施設等のサービス利用状況9項目、家族介護者の介護態度15項目、介護負担・肯定感14項目、認知症・非認知症高齢者のBPSD20項目であった。アンケート回収後、介護態度、介護負担・肯定感、BPSDについて、それぞれ因子分析(最尤法プロマックス回転)を行った。その結果、介護態度については「静観的介護」「強制・無視」「積極的介護」の4因子、介護負担・肯定感については「介護負担感」「介護満足感」「自己成長感」の3因子、BPSDについては「攻撃行動」「常同行動」「失禁」「認知障害」「徘徊」「睡眠障害」の6因子がそれぞれ抽出された。つづいて、BPSDに及ぼす介護態度を検討するために、介護態度の各因子を独立変数、BPSDの各因子を従属変数とする重回帰分析を行ったところ、「強制・無視」がすべてのBPSDに、特に「攻撃行動」と「失禁」に強い影響を及ぼすことが明らかになった。そして、介護負担・肯定感の各因子を独立変数、介護態度の各因子を従属変数とする重回帰分析を行ったところ、「介護負担感」が「強制・無視」に、「介護満足感」が「積極的介護」に強い影響を及ぼすことが明らかとなった。これらのことは、家族介護者の介護負担感を軽減することで、介護態度を改善し、それがBPSDの発症を抑制することを示唆している。
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