2013 Fiscal Year Research-status Report
「親力」向上にむけた行政の取組み―父親や祖父母も対象にした包括的な親支援のあり方
Project/Area Number |
24730478
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
齋藤 嘉孝 法政大学, キャリアデザイン学部, 准教授 (20424054)
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Keywords | プログラム評価 / 親支援施策 / 父親・祖父母 |
Research Abstract |
2013(H25)年度の研究成果は、次の通りである。 ①前年度同様、関連する先行文献をできうる限り広く探し、実際に入手した。それらを継続的に精読した。父親や祖父母を対象とした公的プログラムの実証研究のあり方や動向について、最新状況の把握に努めるとともに、プログラム関連の量的分析手法についても、情報収集した。 ②全国自治体等調査を実施するために、質問紙を作成した。実施内容の詳細、プログラム評価、参加者のリクルーティング等に関する質問項目を、前回科研費による調査の結果および既存研究等をもとに、洗練させた。 ③全国の教育委員会家庭教育担当部署および子育て支援関連部署にむけて、悉皆調査をおこなった。郵送調査によるものだった。データ入力、データクリーニング、統計的分析もおこなった。 ④自治体へのヒアリング調査もおこなった。祖父母講座に関する事例調査であった。 ⑤成果物として、以下(a)~(c)の拙稿にまとめた(いずれも単著)。(a)「祖父母むけ公的プログラムのあり方に関する論考―母親の“実家依存”との関連において―」『生涯学習とキャリアデザイン 法政大学キャリアデザイン学会紀要』11: 53-58、(b)「父親・祖父母等むけ公的プログラムに関する全国市区町村悉皆調査の中間報告」『生涯学習とキャリアデザイン 法政大学キャリアデザイン学会紀要』12、(c)「祖父母むけ公的プログラムにおける効果評価とリクルーティング ―“孫育て講座”に関する事例検討」『法政大学キャリアデザイン学部紀要』11。また、随時、国内外の文献やマスメディア内容からも情報収集をおこない、父親や祖父母の今日的現状の把握にも努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在まで、当初の計画はおおむね順調に進展していると考えるが、それは以下の点からである。①当初目標としていた関連文献(既存研究)に関しては、国内外から入手できており、実際に読み進められている。役立つものが入手できている。②自治体等へのヒアリングに関して、必要な程度に進行できている。ヒアリングによって聞き出せた内容も(上述の拙著にまとめることができた)。③全国自治体への郵送調査も、予定通り実施することができた。精度の高い質問紙を作成することができたうえ、回収も一定の水準を超えることができ、十分なデータを収集することができた。分析は現在までに順調であり、ひとまずの成果物として、拙稿を執筆した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究について、申請時に記した内容をもとに進めていく。現在までに大幅なズレは生じていないので、このペースで進めることによって、最終年度までの計画実施は可能であると考えている。年度ごとの計画は、以下のとおり。 平成26年度:①講座利用者への調査。利用度により3タイプを想定し(heavy user/user/non-user)、それを母親、父親、祖父、祖母の4層に対して調査。すべて首都圏在住者とし、質問紙を事前に郵送し、後に個人面接(半構造化面接)。必要に応じて、フォーカスグループインタビューも実施。②得られたデータの分析。質的・量的両方のデータについて分析。 平成27年度:予定変更は特になし。①フォローアップ調査の実施(前記2つの調査について)。②データ分析を継続的に実施。③2つの調査から得られた情報をもとに、論文執筆・投稿。随時、学会報告。同時に、報告書の作成、研究知見の概要を掲載のパンフレッ ト作成、新聞社へのリリース、書籍化にむけた企画等。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2013年度に計画していた調査等は順調に進んだが、予想よりも抑えめの額で実施することができた。その差額ぶんを、さしあたって使い切る理由が見当たらなかったうえ、2014年度にも別の調査をおこなう計画があり、そこにできる限り残しておきたいと考えたことなどから、次年度(2014年度)に持ち越すことにした。 上記のとおり、2014年度に実施する計画のある調査に、使用する予定である。実働的にどれほどの額を要するか、完全に読み切れない部分があるため、できる限り費用を確保しておいた次第である。調査の水準を高めるため、回収票数を増やすことなどに当てる可能性もある。
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