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2012 Fiscal Year Research-status Report

社会的感受性が集団的知能に影響を与えるプロセスの解明

Research Project

Project/Area Number 24730521
Research InstitutionNanzan University

Principal Investigator

土屋 耕治  南山大学, 人文学部, 講師 (10611585)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2014-03-31
Keywords社会的感受性 / 集団的知能 / 目標の共有 / 役割分化 / 合意形成 / グループダイナミックス / 集団の意思決定
Research Abstract

本研究の目的は,「グループの知能」である集団的知能 (collective intelligence) を予測すると報告された,メンバーの社会的感受性 (social sensitivity) に注目し,社会的感受性が,共有目標 (shared goal) の形成と役割分化過程を促進することを通して,集団的知能に影響を与えるという仮説を検討することであった。具体的には,社会的感受性の高いグループにおける言動,メンバーの目標共有化・役割分化過程に注目し,社会的感受性の影響が見られる主観的・客観的指標を明らかにすることで,パフォーマンスを規定する相互作用行動への介入可能性を探ることを目的とする。
当該年度は,授業中のグループワークの観察と課題の選定をし,最終年度の実験実施への足がかりを作ることが目指された。当該年度の主要な成果としては,質問紙による研究の実施が挙げられる。
具体的には,グループワークを行っている授業において質問紙の配布を行った。合意形成のグループワーク実習において,それぞれのメンバーが役割の分化,目標の共有をどのように捉えていたのかなどの項目に回答してもらい,それらと社会的感受性の関連を検討した。分析の結果,グループ内の個人の発言量と社会的感受性が正の関連を示していた。このことは,社会的感受性という認知の次元の特徴がグループ内での能動的な行動と関連していることを示唆している。また,社会的感受性の高い集団の方が,個人の決定と集団の決定の誤差が少なかった。すなわち,社会的感受性の高さは,集団の意思決定の方略を規定している可能性を示唆している。今後,この調査から明らかになったことを元に,行動指標でこれらの事象をより実証的に示していく必要があるだろう。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究の目的は,「グループの知能」である集団的知能 (collective intelligence) を予測すると報告された,メンバーの社会的感受性 (social sensitivity) に注目し,社会的感受性が,共有目標 (shared goal) の形成と役割分化過程を促進することを通して,集団的知能に影響を与えるという仮説を検討することであった。
2年で実験を遂行するという目的の中,当該年度では,質問紙によるデータ収集を行うことが出来,どのような変数が関わり合うのかという足がかりをつかむことができたと考えている。
このことからも,実験の実施へ向けて着実に歩みを進めていると言え,おおむね順調に進展していると判断される。

Strategy for Future Research Activity

質問紙で得られたデータの詳細な分析をすすめるとともに,集団実験の実施と分析に向けて,研究を進めていく。具体的には,主に次に挙げる2つの側面から推進を図る。
第一は,実験実施に関する事項である。具体的には,実験実施に掛かる実験デザインの精緻化と参加者募集に取りかかる。
第二は,分析の枠組みの設定についてである。言語学の領域で行われているような会話分析の手法を適用することによって,言語行為の視点からの分析もできると考えているため,その準備を行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

初めに,当該年度中に進める機材の購入と設営が,当該研究施設との兼ね合いから,次年度へ持ち越しとなっているため,実験室の機材の設営に関して研究費を使用する。具体的には,ビデオカメラを3台購入することと,音声録音に関する機材を購入することに使用する。
また,実験実施における,実験参加者報酬,研究補助において,研究費の大部分を使用する。具体的には,参加者の拘束時間に合わせて一人3,000円程度支払う予定であり,それを120名集めるため,36万円を謝金として使用する。また,データのコーディングの研究補助として,大学生・大学院生を雇用する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 集団内で発揮される自己制御の検討-社会的感受性および社会的自己制御に着目して-2012

    • Author(s)
      原田知佳・土屋耕治
    • Organizer
      日本社会心理学会第53回大会
    • Place of Presentation
      つくば国際会議場
    • Year and Date
      20121117-20121118

URL: 

Published: 2014-07-24  

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